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「ANIMAL X―原始再来―」⑦⑧⑨(徳間書店/キャラコミックス)

では「ANIMAL X―原始再来―」⑦⑧⑨(徳間書店/キャラコミックス)の感想です!

原始再来7原始再来8ANIMAL X 原始再来 9 (9)

ベトナムで財団に追われ、血族の医師・フエンの元に身を隠した湊(みなと)と裕司(ゆうじ)。
それまで交流のなかった世界中の血族が結束し、財団打倒に動き出す。
だが、 その友好の証に裕司(ゆうじ)は雌として体の共有を求められることになり、湊の取った行動とは…。

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まだまだ裕司の受難は続きます。
『ベトナム編』から登場するフエン医師が、これまた曲者で…。

人間としても異形であり、ましてや血族でもない裕司が置かれる立場の辛さがとてもよくわかります。
そして、そんな裕司を愛するがゆえに、湊が取らなければいけなかった行動の辛さも。
7巻以降は、そんな二人の「覚悟」が試されています。

ベトナムからさらにオーストラリアへ。
舞台もますます広がり、終末へ向けてストーリーも一気に動き出します。


【7~9巻のあらすじ】
財団に追われ、ベトナムで血族の医師・フエンの元に身を隠した湊(みなと)と裕司。裕司は中国での暴行によって、子どもを妊娠していた。

一方、それまで互いに歩み寄ることのなかった世界中の血族が結束し、財団打倒に動き出す。そんな中、ベトナムの血族が身柄の安全を保証する対価として要求して来たのは、裕司(ゆうじ)の体の共有だった…。

同じ頃、不正が発覚した財団に捜査のメスが入る。
しかし、財団を追い詰めたかに見えた矢先、人間達による血族への暴動と弾圧が起こる。

人間達による血族への弾圧から、ベトナムを逃れてフエンの案内で無人島に廻りつく湊(みなと)達。
フエンは裕司の安全を保証する対価として、湊、申、白河ら少数の血族で裕司を共有することを要求。湊もそれに同意する。
しかし、財団の送り込んだ密猟者の手から血族を守ろうとして裕司は流産。 湊は深く後悔する。

その頃、血族の国際会議の実現が決定した。
裕司の心身の傷も癒えぬまま、湊達は開催国のオーストラリアに向かい、現地の血族と合流。そこでオーストラリアの血族の雌、タイラに出会う。

オーストラリアの財団研究施設には、娘・結(ゆい)が連れて来られていた。 湊と裕司は、施設の看護婦が結を連れ出して原住民の村に向かったとの情報を得る。

同じ頃、国際バイオGメンが財団の実力者・シュトルムの過去を暴く捜査に乗り出し、その素顔が徐々に明らかになりつつあった。
タイラと共にアーナベラで結の到着を待つ湊達に、財団の追跡の手が伸び、猟犬(ハウンド)として改良された血族によって村が襲われてしまう…。

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も~~、ホントにフエン医師ったら「喰えないヤツ」!
何気にS系の攻めキャラでびっくりしました…。
まさか、いきなり「お縛り」なんて~~~!!
おいおい…。
まあ、申の「鎖」もびっくりでしたが。

白河は彼の人柄を「自己中心的で子どもっぽい」と評価していますが、まったくその通り。

でも、申や白河のように裕司に対して特別な思い入れがない分、雌としての扱いしか出来ないのは当然なのかも…。
根はいいヤツ(血族)なんでしょうけど。

でも、ドウック兄弟の兄チアムさんがとってもいい人で、さりげなく裕司をフォローしてくれるのが心に染みます~。
この方ひと言も発さないのですが、それがまた印象に残ります。
裕司が自分の怪我を丁寧に診察してくれた恩を、きっと一生忘れないでしょう。
そんなところに血族の情の深さを感じます。
まあ、「だから血族が好きになった」と裕司も言ってますが…。


でも、この7~8巻にかけての裕司の衰弱はもう見てられないほど。
妊娠にともなって女性化してきた体も、表情も、すべてがキレイなだけにより痛々しい。

何度陵辱されても前向きに状況を乗り切って来た裕司ですが、さすがに湊から「あんな」扱いをされてしまったら気丈ではいられません…。
白河とのことを黙っていたことが余程腹に据えかねたのでしょうが、湊よ!!
この…大ばか者ッ!!

「俺より絶対に白河は大人だし かなわない」
湊がそう思って嫉妬するのも無理ないけどね。
白河さん、本当に大人で素敵だからさ。

「それが運命なら」自分にできる事を果たしたいと裕司は言い、雌として皆に体を共有させる決心をします。
そしてお腹の子のことを考えて、「子供は…生まれる処は選べなくても 運命は選べるはずなんだから…」とも。

ほんと、前向きで芯のぶれない強い人です。

裕司は皆に守られているようでいて、いざという時は申や白河らの支えになっている存在なんだと実感します。

結局、捕らわれた血族を救おうとして人間に殴られた裕司は、子供を流産してしまいます。
父親の分からない子を産むのは不安だったから、これでよかったと湊に告げる裕司。でも、きっとそれは湊を心配させまいとして出た言葉で、本心ではなかったはず。
そんな傷ついた裕司を見て一番悲しんだの、はやはり湊でした。
一晩中裕司を抱いて、声を出さずに泣くなんて…。
湊、正直それであんたを見直したよ。



だけどね、裕司。
あなた湊を甘やかしすぎ~~~!

おっぱいとかあげちゃってるしさ~~~!!←まぎれもなく「授乳」の意。
ほんと、あのシーンは読んでてびっくりでしたよ。
湊、いくらなんでも甘えすぎだよッ!!
裕司の湊に対する許容範囲たるや、もうすっかり恋人<「母親」です。


そして。

『オーストラリア編』でとても救われた気がしたのが、タイラの存在。
これまでの血族達の裕司に対する扱いや様々な言動から、「血族の雌はただ子どもを産む道具として生まれて死んでいく」というイメージだったのが、一気に払拭されました。

強く、明るく、たくましい。
まるで、母親の象徴そのもののようなタイラ。
彼女に出会うことが出来て、一番救われたのはきっと裕司だったのだと思います。
そして、タイラも湊と裕司の関係を認めたからこそ、遺跡の場所を教えてくれたんだと思います。

でも、そんなタイラにさえ嫉妬する湊…。
ほんと、おバカさんです~。


財団の追っ手との戦いの最中、看護婦の機転によって救い出された結と再会を果たした裕司。でも、その時アーナベラを守るためにハウンドと戦ったタイラは命を落としてしまいます。
瀕死の状態ながら、裕司に抱かれた結を見て「私の子どもに 私は立派だったと 伝えて」と最後の言葉を残すタイラ…。
彼女も血族を守るために、全てをかける覚悟を持っていたのでした。


あ、そうそう。
リネアのことを忘れていました~!!

彼女も、転んでもただでは起きない強い女の子。
元BAMのメンバーだったサカティのため、母親から血清を奪って彼を救ったり、過去に財団の黒幕であるシュトルムに出会った記憶を催眠療法で探るなど、国際バイオGメンに積極的に協力して財団を追い詰めていく八面六臂の活躍!
おかげで裕司のことはすっかり忘れたみたいですけどね~。笑


さて次の最終巻である10巻で、いよいよ財団トップのシュトルムの正体が明かされます。
果たして彼の本当の目的は何なのか…。
衝撃の結末が待っています。

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