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杉本亜未『ANIMAL X 完全版』上・下 全2巻(白泉社/ジェッツコミックス)

杉本亜未さんの『ANIMAL X 完全版』上下巻(白泉社/ジェッツコミックス)を読みました!

アニマルX
ダイナソーロイド(恐竜人間)の生き残りである「血族」の少年、浅羽湊(あさば・みなと)とその子孫を産むべく運命付けられた鮎川裕司(あゆかわ・ゆうじ)が織りなすSFハードロマンの大作!
1995年5~6月発行

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独裁者グラナダ』(徳間書店/キャラコミックス)で杉本さんの作品を知り、独特な世界観を描き出すその個性に興味を持ちました。
そして出会ったのが、この「アニマルX」のシリーズです。

読み出してすぐにその奇想天外かつ荒唐無稽な設定に、びっくり!!
しかし、物語の持つ力強さににぐんぐんと引き込まれ、そんなことはすぐに気にならなくなります。

湊と裕司、二人の未来を切り開こうとする強い意志に心を打たれました!


今から溯ること12年も前の作品なんですね~。

この白泉社版の「完全版」は、徳間書店キャラコミックスの『ANIMAL X―荒神の一族―』全4巻(途中から掲載紙が変わったらしく、角川書店あすかコミックス版もあったらしい)と、『ANIMAL X―大地の掟―』全2巻に描き下ろし36pをあわせたもの。(違っていたら教えてください…)
さらに続編として、キャラコミックスで『ANIMAL X―原始再来―』全10巻が出ていて、完結しています。


それにしても杉本亜未さん。
絵が上手なんだか下手なんだか…。←失礼

とっても魅力的な表情を描く一方で、なんでこんなにテキトーな絵を描いているのか、と思う場面があったり。汗

でも、そんな些細なことはまったく問題なく、きっとあっという間に作品世界に取り込まれる人が多かったことと思います。

【あらすじ】
感情が高まると恐竜のような姿に変身し、神話上の生物とされていた「血族」の生き残りと、その子孫を残すべく後天的に性別を変えられた「人間」との愛の物語。

ある日、東京でヤクザ4人が惨殺される事件が起きる。犯人は純粋な「血族」としての遺伝子を持つ、浅羽 湊。
「血族」は長年近親交配を繰り返して来たことによる遺伝子異常から、慢性的な女性不足に陥り、繁栄の危機直面していた。
そんな折、遠藤ケミカル研究所職員である鮎川 祐司は、バイトと称しある新薬の実験体にされてしまう。
その薬こそは人間を、「人間も血族も受胎可能な女性にする」というものであった…。
 偶然にも逃亡中の湊と出合った裕司は、血族にとって貴重な「女性」として認識され、その故郷である東北の牛隈村に連れ去られてしまう。
そこで湊の言うとおり、自分の身体が女性化していく現実に戸惑い、抵抗を感じながら、運命を切り開く決意をする裕司。
血族からは貴重な「女性」として、また研究機関からは「実験体」としてその身を追われることとなり、湊と共に安息の地を求めて逃亡するなか、一途で真剣な好意を寄せてくる湊のために「血族」の子孫を産む決意をするのだった…。
* * *

まず、「恐竜人間=ダイナソーロイド」って発想がすごい!!
さらに、男性を薬で女性化しちゃうって設定がすごい!!
そして、その二つをあわせてこんな壮大なストーリーを作り上げてしまうなんて~~~!!

「漫画って、本当に面白いですね。」

この作品をBLと定義してらっしゃる方も多いと思うのですが、裕司は巻を追うごとにどんどん女性っぽくきれいになって行くし、私はさほどBLくささを感じませんでした。

どちらかと言えば、これは「種」を超えた「ラブストーリー」。

だって、まんま恐竜みたいな湊をゴロゴロと手なずけちゃってる裕司…、すごいよ!
湊もその怪力で人間の頭やら胴体やらを、ちぎっては投げちぎっては投げの残酷の限りを尽くしてるし。滝汗

普通の感覚なら、あの姿を見た時点で気を失うはずです!
いや、それじゃお話しにならないのですけどね。笑

実験材料として意図的に性別を変えられた挙句、「女性」不足のあちこちの血族団体?によって、その貞操を狙われっぱなしの裕司。
湊が殺したヤクザの親分に捕まって、行きずりにやられちゃったり(挙句に妊娠!あまりに唐突な展開にびっくり!)と本当に可哀相…。


血族からは、ただ「子どもを産む道具」としてしか扱われず、研究機関からは「実験体」として調査研究の対象としか見られずに、自分の意思さえも奪われそうになり、「人間」としての尊厳も与えられない裕司。
次々と襲う過酷な運命に対し、希望を捨てずに毅然として立ち向かう姿に、したたかな「女性」の強さと、たくましい「母」の強さを見る気がします。


作中では、この裕司の女性化がすすんで、どんどんキレイになっていくのが、本当にお見事。
その憂いのある表情には、比嘉さん(血族の沖縄代表)じゃなくとも、ドキッとしてしまいます。
最初はマジで健康サンダルが似合いそうな、普通の兄ちゃんだったのに~。

おかげで湊一筋の裕司の気持ちを振り向かせようと、日本各地の血族たちも必死!(血族には地方によって、コミュニティがある。)
なんせ一族の断絶がかかっている上、相当の美人なのです。
でもあれやこれやのプロポーズ大作戦(本人の意思は全く無視)にも、裕司の気持ちはまったく動きません。例え湊が死んだと思われていても。


それにしても、湊が10歳も年下っていう設定も冷静に考えるとすごい…。
(もしや、単に年下攻めな設定なのか?汗)
作中裕司の女性化がすすむのが見ものなように、少年ぽさを残しつつも湊がどんどんたくましく、頼りがいのある男に成長していくのも素敵です。

なんだかんだいって、これって基本は「激あまラブストーリー」なんですよね。

下巻の最後、裕司は湊の子を出産します。
(それにしても、ホントに産んでる…!!あとがきで作者も驚いてたけど。笑)
この親子が安泰できる土地は果たしてあるのか。
物語は「原始再来」へと続きますが、この親子三人の笑顔がずっと続くように願わずにはいられません。

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