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新田祐克『春を抱いていた 14』(SBBC)

とうとうこの日を迎えてしまいましたね…。

ということで、新田祐克さんの『春を抱いていた』14巻(スーパービーボーイコミック)を読みました!

春抱き 14
岩城がくれた御神毛を胸に危険が伴う中東ロケに旅立った香藤。プレッシャーも愛の力で跳ね返し、演技のボルテージは最高潮に…! 一方、事務所から突きつけられた「独立認めず」の回答に岩城の怒り炸裂! 彼の下した決断とは? 描き下ろし長編読み切り「ライフ・ライン」110ページ収録。

■初出一覧■

スタンド・オン・べッセル/BE・BOY GOLD(’08 4・6・8月号)掲載
※単行本収録にあたり加筆
プロポーズ・アゲイン/BE・BOY GOLD別冊付録(’07 6月号)掲載
ライフ・ライン/描き下ろし

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泣いても最後。
笑っても最後。

の、『春抱き』最終巻。
とうとう出ちゃったな~。

さびしのいと、ホッとしたのとがごっちゃになったような、複雑な心境です…。

でも、新田さんのなさったことを考えると、中途半端なまま終わってしまってもおかしくなかったというのに、こういうきちんとした区切りをつけることが出来たのは、やはり作品を愛するファンの気持ちに精一杯答えようとした作者と出版社の誠意の表れなのだろうと思います。

でも、さすが新田さん!
「最後の最後にこう来たか!!」って驚かせてもらいました。

表紙の見返しの言葉を胸に刻んで読み出し、あとがきはありませんでしたが、たしかに新田さんからのメッセージは受け取りました。


【スタンド・オン・ベッセル】

大丈夫 何があっても俺は側にいるから…


岩城の独立騒動の最中、中東での撮影から途中帰国した香藤。
二人でジャパンアカデミーの授与式に出席している最中、凶弾に襲われて…。

* * *

実は、裏表紙見たときに、思わず笑ってしまいました…!!

待望の最終巻だというのに、「御神毛」って!!ええ!?
みたいな。

さすが!!笑

でも、この笑いこそが新田作品には必要なもの。
私にとって新田作品はツッコミたい部分が満載な娯楽作品!!
それがなければ『春抱き』じゃないよ!

というのは、私の過去の感想を読んでいただければおわかり頂けると思います。笑
(過去の感想はこちら

でも、この「スタンド・オン・ベッセル」は岩城さんの事務所独立問題や社長の逮捕劇、また発砲事件なども加わって、かなりのスリルとサスペンス調。

合間、また頼りがいのある香藤と、ちょっと弱った岩城さんのガッツリHで盛り上がり、最後は社長の泣かせる話でキレイに落として、すごく良くできていると思います。

でも本当なら、これから香藤の海外進出なんかも本格的に描かれるはずだったのかな…。
そう考えると、この勢いのよさがかえって心苦しいです。


【プロポーズ・アゲイン】

「夫婦」になってからもとびきりの「恋人」…
無敵(パーフェクト)だよ 岩城さんは


結婚記念日には、毎年薔薇の花束を買って帰るのが岩城の習慣だった。
だが、香藤も毎年この日には何か買っていると聞かされたけれど、一度も受け取った覚えのない岩城は・・・

* * *

はい!嫉妬にもだえる乙女な岩城さんが満載~♪

閑話休題的なこの話が間に入ってくれて、ホッとします。

薔薇の花束を手に、雨の中佇む岩城さん…。
それだけで絵になるぜ!

そして、結婚記念日には毎年ダイヤを買い続けていたなんて、さすがバブリーな香藤ならではの発想!!

俳優という商売がら、老後生活に困ったら売ればいいしな!
なんて堅実なんだ!!

と思ってしまったのは、私がしがない主婦だから。涙

それにしても、岩城さんの股間に沈んだダイヤの粒の大きさに、思わず「何カラットあるんだろう」とつぶやいたのは私だけではあるまい。

そしてこの二人…結婚後、何年たってたんでしたっけ??
養子縁組という名の入籍の予定はないみたいです。汗


【ライフ・ライン】

会いたかったんだ…
絶対 岩城さんに会いたかったんだ


新事務所の社長と看板俳優として激務をこなす中、過労で倒れる岩城。
映画撮影中の香藤がそのニュースを知った直後に、東京を大震災が襲う…

* * *

これは…
正直、微妙~に絵柄が変わってしまっていて、ショックでした。

なんというか…
やわらかくなった?というか、丸くなった?というか。汗

そんなところに新田さんの心情の変化を実感してしまいました…。

でも、最後のお話のテーマでまさか「震災」を持ってくるなんて!!

このチャレンジにはびっくりしました。
すごくデリケートで重い題材だと思うので…。

でも、二人の明るい未来と、俳優としての生き様に繋げるストーリー展開には、納得させられました。
そして、この終わり方でよかったんじゃないかな、と。

きっと緋田監督に向かって語る香藤の台詞は、そのまんまクリエイターとしての新田さんの心情だったんだろうな。
0からの出発、の意味もこめて。


あの事件以降、新田さんの作品から離れた人も多かっただろうと思います。
私も一時はそうしようかと思いました。

でも、やっぱりここで終わってしまうには惜しい、才能のある作家さんだと思うんです。
そして、新田さんの作品とファンに対する愛情は、読むほどに読み手に伝わってくるから。

作家としてしてはいけない間違いを犯してしまったけれども、それさえも「もっといいものが描きたい」という純粋な気持ちからだった言うのは間違いないと思いますし、信じられる。

そして、BL界に『春抱き』という大きな足跡を残した新田さんだからこそ、これからもこれを超える素晴らしい作品を残していってくれるだろうと信じています。

岩城さんと香藤。
熱く濃厚な二人の物語は、これからもずっと私たちの気持ちの中で生き続けていきます。
新田さんには二人を生み出してくれてありがとう、とお伝えしたいです。

完全復帰はいつになるかわかりませんが、ぜひこれからも描き続けていってください。

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コメント

こんにちは♪

終ってしまいましたねぇ…
様々な想いとか願いとか意見とか(あるいは批判とか)、有り過ぎるほど有るんだろうけど、でも私は、ご本人の手でちゃんとピリオドを打って下さった事を、素直に感謝しています。
やっぱり、BLというジャンルの、記憶すべき作品だと思うんです。
それが未完で消えてしまったら、悲しいし口惜しいと私は思います。
きっちり「END」と打たれてこそ、その物語は永遠になると思いますから。

私も、最終話の絵の変化に、複雑な思いがしました。
ある意味、この空白期間がシビアに表れたなぁと、やっぱり厳しいものだなぁと、感じてしまいました。

物語の通り、これが完全な終わりでなく、ご本人にとって新たな始まりとなるよう(それがどういう形であれ)願っています。
季菜子さま、こんばんは☆
> 終ってしまいましたねぇ…
いや~、私はもうすっかりしみじみとしちゃっております…。

> きっちり「END」と打たれてこそ、その物語は永遠になると思いますから。
本当にそうですね。
きっと新田さんも心残りのない形で、この最終章を発表できたのではないでしょうか。

> 私も、最終話の絵の変化に、複雑な思いがしました。
私も活動休止の影響が…出ていたと思いました。汗
やっぱり作家さんは作品を生み出してこそ、前進していくものなんですね。

> 物語の通り、これが完全な終わりでなく、ご本人にとって新たな始まりとなるよう(それがどういう形であれ)願っています。
本当に!これまで新田さんの作品にはたくさん楽しませて頂いたので、これからの活動も応援していけたらと思っています。

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