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西田東『ラブストーリー』(ディアプラスコミックス)

表紙を見る限り絶対BLには見えないんですけど、今度は中世か!と驚かされました。

ということで、西田東さんの『ラブストーリー』(ディアプラスコミックス)を読みました!

ラブストーリー (ディアプラスコミックス)
巡礼の旅をするダニエルは騎士・レオナルドと出会う。身分や考え方の違いから、最初は反発する二人だったが、共に旅をするうち心が近づいていく。だがレオナルドには想い人がいて……。中世を舞台に描かれた愛の物語「ラブストーリー」。海外出張中に漂流した無人島で始まる上司と部下の禁断の恋「パラダイス・パラダイス」を同時収録。


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「サンティアゴに巡礼」、と言えば、世界遺産にも登録された“サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路”を辿る巡礼のことですね。

「サンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼道はおもにフランス各地からピレネー山脈を経由しスペイン北部を通る道を指す。
中世後期には宗教や文化の変遷や発達に重要な役割を果たし、中世ヨーロッパ諸国やあらゆる階層の人々のキリスト教の信仰と影響力の証明であり、今もなお世界中から多くの巡礼者が辿る道となっている。」

そこを舞台にするとは、なんと壮大なお話になることか…!

と思いましたが、なるほど西田さんは上手くまとめてくれました。笑

設定だって、もう何がキタって驚きませんよ。こないだはローマ時代だったし。
むしろ、このくらい浮世を離れてくれた方が、ドラマチックで読んでいて楽しいです。

西田さんの作品を読むと、すごく地味な絵柄なのに(失礼)、あいかわらず気持ちがワクワクしてしまう。

キャラクターが視線のみでここまで語れる漫画は、最近あまり見られませんからね。

ダニエルとレオナルド。
2人の距離がゆっくり近づいていく感覚に、胸がじんわりとしました。


【ラブストーリー】

おまえが救われるか堕落するかは神がご存じだろう――


心にある葛藤を抱えながら巡礼の旅をするダニエルは、一緒に旅をしていた老人が病気になったのを救ってもらおうとある騎士に助けを求める。
だが、その騎士・レオナルドは、急ぐ武芸試合があると言い残して、無下にその場を立ち去ってしまう。
その後、老人は死をむかえるが、試合に負けて大怪我をし道で気を失っていたレオナルドは、今度はダニエル達巡礼者によって命を救われる。
はじめはすれ違う2人だったが、ともに時間を過ごすうちに互いの気持ちに何かが芽生えはじめる。

そんな時、レオナルドの想い人であったローザが囚われたとの報が入り・・・。

* * *

神に近しい身(助修士)でありながら、信仰への矛盾を抱えつつ巡礼を続けるダニエルが心に抱える葛藤がなんであるのか。

…には、かなり早い時点で気づきました。
BLですから。笑

煩悶しながら巡礼の旅を続けるダニエルが、その途中で出会うレオナルドは豪気ながら素朴な健康男子そのもの。

はじめこそ反目しあっている2人ですが、一緒に旅をするうちに次第に打ち解け、2人の間には友情のようなものが芽生えはじめます。
ただ、ダニエルにとっては、そこにほの昏い欲求も含まれていて、より深い苦悩を抱えることになるのですが…。

この作品の端々で、ダニエルがレオナルドに送る視線が…非常に「含み」があってゾクゾクします!

決して表には出さないようにしていても、感情を目が語ってしまう。
そんな悩めるダニエルの風情が、いいんですよね~。

こういうやり取りが西田さんはすごく上手いなあ、といつも感心してしまいます。

テーマがテーマだからか最後までプラトニックなお話なのですが、この視線のやり取りだけでも充分モト(?)が取れた気になります。
どちらがマウントポジションを取るのかは妄想で補いましょう。笑

その上、おおらかで裏のないレオナルドが、ダニエルの気持ちをまっすぐに受け止ようとする部分には、ついほろっとしそうに…。

全体にシリアスな雰囲気ですが、非常にうまく整理されたネームと、ところどころに挿入される西田節(例:効果音の「どてちん」など。笑)にクスッとさせられつつ、ぐいぐい読めます。

囚われたかつての想い人を助けるために身代わりとなり、隣国に追放されそうになったレオナルドの助命のため、身をなげうって育ての親である司教に懇願するダニエルの様子も、それに応える司教の様子も、クライマックス近くでぐぐっと見せ場を作ってくれて秀逸。

また、この司教のダニエルにむける視線が・・・

背後に何かを感じさせてたまらない。笑

この時代、聖職者の中では男色はタブー視されつつ実在していたと思いますが、教会の男色禁止の建前がある限り、助修士として生きるダニエルの魂には平穏がなかったはず。

自分の性癖に苦しみながら巡礼の旅を続けていたダニエルは、開放的で懐の深いレオナルドに出会い、愛することで多くの意味で救われたのだと思います。

でも、それもきっとレオナルドが農奴出身の父を持つ貧乏騎士で、ダニエルももともとは農奴の出という、2人の間に極端な身分差が存在しなかったことから成就したような気がしてならないのですが…それは考えすぎですかね?汗

ま、悩めるダニエルが本当の愛に出会い、自分を認めることが出来てよかった。

これぞまさに、「愛を求める物語」でした。←きれいにマトマッタ?


【パラダイス・パラダイス】

海外出張時に、あるトラブルから無人島に2人きりになってしまったゲイの柚木と上司である次長・野沢。
2人きりでサバイバルライフを送るうち、次長の意外なたくましさに触れた柚木は…。

* * *

これは雑誌掲載時にも読んでいて、「やっぱ西田さんの描くリーマンはいいよね~」と酔いましたが、コミックスに入っても変わらぬ男くささには、また酔いました。笑

なんていってもスーツの描き方がうまいよなあ。

さらに、ガッチリした体躯が生々しくってよいなあ。

惚れ惚れ~

次長は服着てると一見メタボなんだけど、脱いだら実は骨太ガッチリ型だったっていうのが妙にリアル。笑
でもフツウ、この年齢のひとは、そのまんまメタボなはずですけどね!爆

しかも、一見神経質そうな次長が、実は生命力にあふれた頼れる男だったというギャップ萌え!

たとえ柚木じゃなくても、こんな人と南の孤島で2人きりだったら、確実に恋に落ちますよ。笑

奥さまは、次長のこの姿を見たら惚れ直すかもしれないのに~、なんてBL読みとしてはありえない気持ちをしみじみと味わってしまったんですが…、すみません。汗

結局、熱い一夜を過ごした直後に救助が来てしまい、現実社会に復帰したあとまできちんと描かれますが、そのくだりもまたよい味わい。

彼と一緒なら、どこだってパラダイス!

一夜の恋と諦めようとした柚木の乙女な部分も、これまた見た目とのギャップ萌えでありました。

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ということで、今回も大満足の1冊でした!

あとがきがないのは、なんかもう仕方ないかもしれませんね。
前回のあとがきには、正直言ってついていけてない自分もいましたから…。汗

ともかく、主役より大きく描かれた表紙の「馬」に躊躇なさっている方には、ぜひ勇気をもって挑戦なさることをオススメします。笑

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