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鳥人ヒロミ『年上のひと―成層圏の灯―』(ビブロス/スーパービーコミックス)

鳥人ヒロミさんの『年上のひと―成層圏の灯―』(ビブロス/スーパービーコミックス)を読みました!

年上のひとそれは禁じられた恋だった…!
叔父と甥でありながら、肉体関係に溺れていく聖(ひじり)と英(えい)。
そして罪悪感という媚薬(スパイス)は、二人の愛を戻れないものへと変えていった――。

■初出■
「成層圏の灯―SEASON」 BE・BOY GOLD/1996年Autumn号掲載
「境目のない世界」 同人誌再録
「成層圏の灯―赤い鳥」 BE・BOY GOLD/1998年2月号掲載
~単行本収録にあたり、大幅に加筆修正~

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『成層圏の灯』シリーズ2作目になる「年上のひと」では、喜瀬川と叔父の聖が共に暮らしていた日々が描かれます。

母に虐待されていた幼い英を引き取った聖が、どのように英を慈しみ、育て、愛したのか。

「親子」に近い愛情から、互いをかけがいのない「恋の相手」として求め合った二人の濃密な時間に圧倒されます。


うわ~~~ん!!!
なんと、すっごい気合と時間をかけて一度感想を書いたのに、保存に失敗して全て消えてしまいました…。
しかも2度も!!
脱力。
なんかの呪い!?
あまり熱く叫ぶなということなのでしょうか?涙

でも、この作品は気軽に通り過ぎるわけにはいきません!

【年上のひと】

母親に虐待されていた幼い英を引き取ることになった、20歳年上の叔父の聖。
なかなか心を開かない英に戸惑いながらも、持てる愛情をすべて注いで育てることを決心する。

やがて思春期を迎えた英に対し、性的な興奮を覚えてしまうようになる聖。
頭ではいけないと思いつつも、ある日、欲望のままに英を犯してしまう。
だが、聖との生活が全てだった英は、甘んじてその関係を受入れる。

そして3年。
すっかり成長した英は、本能のままに聖を抱くことを望み、その快感を聖も受入れる。

「多分、僕はどこかでこうなることを望んでいたんだろう」
10年かけて「僕の男」を育てたと思う聖は、英との愛欲の日々に溺れていく。

だが、未来ある英のためには、いつまでもこの関係を続けてはいけないと考え始める聖。

英の大願進学を機に別れ話を持ち出すが、愛する人に捨てられる恐怖から、聖に対して異常なまでの執着心を露にする英。
暴力で自由を拘束されるようになった聖は、英との関係に限界を感じ、ついに母親に連絡して英を手放すことを決意する。

忽然と英の前から姿を消す聖。
絶望した英は、二度目の結婚に失敗した母親と心中を図り、自分ひとりだけが生き残ってしまう。

その頃、昔の恋人を頼って単身北欧に渡った聖も、英を手放したことを後悔して自傷行為を繰り返していた。
だが、元恋人でありいまやよき理解者であるサムや、古くからの友人の苗場に支えられて徐々に落ち着きを取り戻す聖。
ある日、気分転換にと誘われたツアーで天上を覆いつくすオーロラを見た聖は、英への気持ちを昇華するのだった…。


幼い頃から愛情を持って育てた人間を性的な対象に見ること自体が考えられませんが、それがこの物語の軸であるので受入れましょう。

聖は人として、最低な行為を犯した人間だと思います。
だからこそ、神は最後まで英に再び会うことを許さなかった。
ああいう最後を迎えたことに対して、同情することは出来ません。

オーロラを見上げながらの聖の独白です。

……愛しているよ
英ちゃん 誰よりも君を愛しているよ
神様 僕は 
あの子と愛しあった この何年かに 一点の後悔もありません
地獄へは 僕一人で行きましょう
だから あの子にも この天上の灯を―――



神は聖に対しての審判をどのように下したのでしょうか。


二人が別れて3年後、事故で死んだ聖の追悼展に佐伯とやって来た英。
あれほど残酷な仕打ちを受けてなお、佐伯に出会い、再び恋をした英。

聖によって人を愛し愛する喜びを知った英は、人を愛することに絶望しなかったのです。

聖の最後に思いを馳せながら、英は考えます。

聖さんは
死(そ)の瞬間に 天使を見たんだろうか……



物語の冒頭、事故のシーンでの聖の切ない願いが胸に蘇ります。
天使ばかりを描き続けていたという聖。

その面影に、英の姿を見出していたに違いありません。

人間の弱くて、ずるくて、愚かな部分をこれでもかと見せ付けられ、考えさせられる物語です。


【赤い鳥】

付き合い始めた佐伯と喜瀬川。
公認の中として、喜瀬川は友人にも紹介する。

だが、死んでなお濃密に残る聖の存在感に対し、嫉妬を抑えられない佐伯。
そんな佐伯を見た喜瀬川は、目の前で遺品のスケッチブックに火をつけるのだった。


そりゃー、そうですよ。
佐伯の嫉妬も、もっともです。

叔父であり、父であり、兄であり、友人であり、恋人だった聖。

そんな相手に自分がかないっこないと思うのは当然です。

佐伯の疑問…「そこまで自分を追いつめた相手を 死んだからってだけで あんなアッサリ 許せるもんなのか?」
は、そのまんま読者の疑問でもあるのですが、喜瀬川の迷いのない行動には説得力があります。

でも、これからも聖さんの亡霊にどこまでも追いかけられることになる佐伯…。
えらい男に惚れられたもんだよな~と、ちょっと気の毒です。

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