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日高ショーコ『憂鬱な朝 1』(キャラコミックス)

日高さんの繊細な心理描写と、硬質ながら色気のある画風が冴え渡る、クールビューティ好きさんにオススメの1冊~♪

ということで、日高ショーコさんの『憂鬱な朝 1』(徳間書店/キャラコミックス)を読みました。

憂鬱な朝 (1)(キャラコミックス)父の死後、10歳にして久世子爵家当主の座を継ぐことになった暁人。
家令兼教育係は、父の遺言で全権を委ねられた桂木だ。
久世の分家筋の出身で、父の信頼厚かった桂木は、社交界でも一目置かれる美貌のやり手だが、実は特権階級へは批判的。
しかも暁人には冷たいほど厳しくて…!?
人気急上昇中の著者、初の連載作品がコミックス化!!
若き子爵×美貌の執事のクラシカル・ロマンス

■初出■
憂鬱な朝①
scene.1 CharaSelection1月号(`08)
scene.2 CharaSelection3月号(`08)
scene.3 CharaSelection5月号(`08)
scene.4 CharaSelection11月号(`08)
scene.5 CharaSelection1月号(`09)
conversation 描き下ろし

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「華族という特権階級の檻に囚われ、時代の波に翻弄される若き子爵と家令の恋、ついに開幕」
(帯より抜粋)

昨年の『嵐のあと』発刊以降、大好きな作家さんになった日高さん初挑戦の…
「クラシカル・ロマンス」!!

ということで、個人的に大好きな時代物です!
加えて日高さん初の続きモノとのこと。

BLらしからぬ表紙の重苦しさが、タイトルと内容を裏切りません。笑

しかも。

1冊なのに、「これでもかッ!!」ってくらい読み応えがありますよ。

暁人の、成長とともに募らせる狂おしいほどの恋心にノックアウト!
読み終えてから、しみじみと表紙を眺めてみると、そこに漂う雰囲気が、より切なく、苦しく、胸に迫って来ます。
※記事中ネタばれありなので、ご注意ください。


恥ずかしながら、初めて「家令」なる言葉を聞いたので、ちょっと調べてみようと思ったんですが…。
西洋的な方面からは、すごく理解が大変そうだったので、やめました。汗
(wiki「家事使用人」の項参照)

わかりやすいのは、国語辞典からでしょうか。

「家令(かれい)」
(1)明治以後、皇族・華族の家で、家務会計を管理し、他の雇い人を監督した人。執事。
(2)律令制で、有品の親王・内親王、職事三位以上に与えられる公的家政機関の長官、あるいはその職員の総称。けりょう。
(goo国語辞書から転載)

ではそれをふまえて。


【憂鬱な朝(1)あらすじ】

久世子爵家の嫡男である久世暁人(あきひと)は、病弱な母とともに鎌倉の別宅で暮らしていたが、その母の死後、父があとを追うように亡くなってからのち、跡取りとして本家久世家に居を移す。
そこには、若年ながら久世家の家令、兼暁人の教育係として、先代からすべての実権を譲られた桂木がいた。

しかし、秀でた才と美貌でもって社交界では華やかな一面を見せる桂木だが、久世家の跡取りとしての暁人に対しては、あくまでも厳しく、冷たい態度を取り続ける。

成長した暁人の募る気持ちを知ってからも、二十歳になるまではすべての実権は自分にあるとして、頑なな態度を崩さない桂木。
その態度の裏には、桂木と先代の間で交わされた過去のある約束があった…。

* * *

とまあ、ドロドロしてます。笑

ほかのレビュアーの皆さんも口々に仰っていますがお話しに、「ラブがない」んです。汗

幼い頃から久世家の跡取りとして、桂木に「子爵たるべきすべてのもの」を叩き込まれてきた暁人は、最初に会ったその時から桂木を思い慕います。
はじめは父や兄を敬愛するような気持ちで、成長したのちにははっきりと恋心を自覚して、桂木の期待に応えようと懸命です。
しかし、桂木からはことごとく先代である父親と比較され、あげく、まったくその父には似ていないと言われ続けて、不毛な気持ちを持てあます暁人。

桂木はと言えば、その美貌と、投資に対しての才能などから他の貴族連中からも引く手あまた。
果ては「久世家のために」との大義名分で、公爵夫人や伯爵の子息などとも長年肉体関係を続けています。

そして17歳になった暁人は、報われない思いに耐えかね、その気を引きたい一心から激情のままに桂木を抱いてしまうのです…。

ああ~~若い~~。

そして、あの可愛い「子ども」が、こんな立派な「攻」に育ってからに~~。笑

しかも。

不毛すぎて、このくだり、触感がザラッザラです~~~。汗

暁人、不憫。涙

で。

この桂木という男がとても興味深いキャラ設定。

美貌で才能あふれる久世家の家令という立場にある人物だけでなく、実は過去に本家である久世家と分家・桂木家の確執のもとになっている存在。

本編の中でチラリと触れられる先代との関係、跡継ぎに絡む過去の真実、そして何より桂木の本心はいったいどこにあるのか。

物語はまだまだ序盤の様相でしかありません…。

1巻は、爵位などには興味がないと言い切る暁人に対し、あくまで久世家の陞爵(爵位をあげること)にこだわり、そのためになら“一生涯暁人に仕える”、との取引を持ちかける桂木の言葉で終わります。

暁人の苦しいまでの恋心と、己の感情をひた隠ししながら、胸の奥深くに秘めた桂木の真実。

2巻以降でそれがどう動くのか、とても楽しみです!

それにしても。

暁人の思いばかりが一方通行で、「ラブがない」と評されていますが、桂木が公爵夫人に対しては暁人の様子を楽しげに語っていたらしいこと。
そして、はじめての一夜が明けたあとの、「もうちょっとやさしくすればよかったのかな」と一人ごちた台詞には、暁人に対する複雑な情愛が滲んでいる気がするんですよね~。


日高さんの絵柄は、これまでも硬質でクールと思っていましたが、"華族”、そしてこの時代を描くことが、ここまでしっくり来ることにびっくりしました。
キラキラしているわけではないけれど、不思議な華やかさがあります。

そういう意味で、当時の風俗がお好きな方には、またちがった楽しみのある作品。

個人的には桂木ははじめの「家令」スタイルでバシっと決めたオールバックよりも、後半増えてくる前髪を下ろしたラフなスタイルのほうが色気が増して好きなんですけど…。

とにかく、今年度ベスト10に入る予感がすでにいっぱい。

暁人と桂木の心は今後きちんと結ばれるのか。

2巻の発売が、今からとても楽しみです♪

そして…

ロードでの原画展はマジで見たかったです!!
ああ、T京にいたなら必ずや行ったのになあ。涙
行けた方が、心底うらやましいです~。

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