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鳥人弥巳(ヒロミ)『成層圏の灯』(ビブロス/スーパービーボーイコミックス)

鳥人弥巳(ヒロミ)さんの『成層圏の灯』(ビブロス/スーパービーボーイコミックス)を読みました。

成層圏の灯写真のモデルを引き受ける代わりとして佐伯が喜瀬川に出した条件は、肉体交渉だった。
真面目そうな喜瀬川は、意外にもそれを承諾する。
だが、遊びの関係が次第に重さと熱を持ち始める時…!

■初出■
「アジアの片隅で」1995年小説ビーボーイ2月号掲載
「FACE」1993年小説ビーボーイ③掲載
「間接的な視線」1993年同人誌「10LITTLE INDIAN'S+」掲載
「春の後」1995年ビーボーイゴールドSpring掲載
「スケルトン・コースト」1994年同人誌「skeleton coast」掲載
「成層圏の灯」1995年ビーボーイゴールドAutumn掲載/1996年ビーボーイゴールドWinter掲載
「CHAMP」描き下ろし
「あとがき」描き下ろし   

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『成層圏の灯』は成層圏シリーズの1冊目であり、かつ鳥人ヒロミさんの初単行本。
三浦しをんさんのエッセイ『シュミじゃないんだ』(新書館)での第一章(「リバーシブル」がテーマ)で紹介されていたのを読んでからというもの、気になって、気になって…。

今や絶版でなかなか手に入らない状態でしたが、今年新書館から「文庫版」が出版されます!!

鳥人さんのHP「おまえはそれでいいのか」で8月頃に発売予定だとあります。
どうやらページの都合で描き下ろしもあるようで、うれしいです♪



とはいえ、その発売まで待てなかったワタクシはヤフオクで手に入れてしまいましたが…。
子供が小さい頃、育児のストレス解消で始めたヤフオクがこんなところで役に立つ(今や絶版本&同人誌の購入に大活躍!!…この際散財には目をつぶる)とは、人生何が幸いするのかわからんもんです。←?

成層圏シリーズは『成層圏の灯』、『年上のひと』(これより鳥人ヒロミ名になります)、 『セミ・シングル』、『幾千の言葉より』の全4冊で完結。

現時点では中古書店などでは、比較的2~4冊目は手に入り易いと思います。
でも可能であれば、最初から順を追って読んでいくことをオススメします。その方が喜瀬川と佐伯の関係の変化がよくわかるからです。

『成層圏の灯』はデビュー作なので、どうしても絵の荒さが気になる等のご意見もあるようですが、それはそれ。個人的には気になりませんでした。(ちょっと吉田秋生さんの絵に似てるな~、とは思いましたが。)

鳥人さんの原点ともいえる『成層圏の灯』。
ファンならずとも、「リバーシブル」推進派の方にも必見の名作です!


鳥人さんは『キャラメル』シリーズ(感想はこちら「キャラメル・エスプレッソ」→「キャラメル・フレーバー」)の絵柄が気に入り、読み出した作家さん。

鳥人さんの作品は心(や体)に重い傷を負いつつも、懸命に生きている人物が数多く登場します。
このパターンを敬遠される方は多いかと思うのですが、『風と木の詩』のジルベール・ラブな私には、過去のトラウマはなんら障壁にはなりません。むしろ媚薬。笑

『成層圏の灯』の第1話「アジアの片隅で」で、すでに二人は社会人となっており、その関係も(一旦)終わっているのですが、2話目以降は出会いからどうやって惹かれあっていくのかが描かれています。


偶然撮られた一枚の写真を介し、知り合った佐伯とカメラマン志望の喜瀬川。
はじめは完全にからかい半分で喜瀬川を誘った佐伯だったが、喜瀬川を知れば知るほどその魅力にハマっていく。

喜瀬川に惹かれるにつれ、その過去をもっと知りたいと願う佐伯。
ひたすらに過去を隠そうとする喜瀬川。
だがある事件をきっかけにして、喜瀬川は徐々に佐伯に心を開いていこうとする。

そんなある日、喜瀬川の育ての親であり叔父である喜瀬川聖(ひじり)の訃報が飛び込んでくる。
その死をきっかけにして、喜瀬川は驚愕の過去を佐伯に話し出す。

衝撃を受けつつも、その過去を正面から受け止め、今は喜瀬川に寄り添っていたいと願う佐伯だった…。

とまあ、ここまでが1冊目のあらすじです。

一人の人間の 心の傷が どれほど根深く 癒しがたいものであるか
又 それに触れる事が どれほど 困難であるか 
実の所 その時の俺は 全然わかっちゃいなかったんだ


この佐伯の独白が、このまま「成層圏」シリーズのテーマ。
この二人が、あまりに重い喜瀬川の過去のトラウマをどうやって乗り越え、未来に進んでいくのかを4冊かけて読ませてくれます。
よくデビュー作は作家の背景をあらわすといいますが、まさに「成層圏の灯」もその通りでした。

ところで。

それにしても、この二人。
本当に変幻自在にタチネコ(攻と受)が入れ替わります。
その時の気分で?って感じ。
しをんさんがオススメするのも納得です!!

喜瀬川はその生い立ち編『年上の人』を読むとどっちもいける理由がわかるんですけど、佐伯(@学生時代)は完全に深く考えてないですね。
その時が楽しければいいという完全な快楽主義者(エピキュリアン)。

個人的にリバ平気なので(というかむしろ推進派)なのですが、男性同士のラブにおいて男女の役割に類似するものを与えてしまうのってつまんないじゃないですか??
あの「風木」のジルベールだって、女の子相手にちゃんとヤレてましたから。

純粋に互いの享楽のためだけに、「どっちでもヤレル」っていうスタンスがいいな~。
生産性がない(といわれる)関係ならばこそ、そこが重要だと思うのですがいかがでしょう?←誰に聞いているのか

ということで、Mっ気のある受が好きな方、リバ歓迎の方のみならず、BLファンならば一度は読んでおいて損はありませんよ!

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