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ヤマシタトモコ『恋の話がしたい』(MARBLE COMICS)

これは、あとからじんわり来ますよ。

と言うことで、ヤマシタトモコさんの『恋の話がしたい』(東京漫画社/MARBLE COMICS)を読みました!

恋の話がしたい
―不器用で純粋、もどかしくて甘い―
言うつもりのなかった「好き」
受け入れられると思わなかった「自分」
考えもしなかった「関係」
好きな相手と付き合うのが、こんなにも怖くて幸せなんて知らなかった—。戸惑いながらもひたむきな恋愛を描いたシリーズ連作に短編2本と書き下ろしを収録。

■CONTENTS■
dialogue.1/BGM VOL.4(2008.02)
dialogue.2/BGM VOL.5(2008.04)
dialogue.3/BGM VOL.6(2008.06)
dialogue.last/BGM VOL.7(2008.08)
Re:hello/ライバルカタログ(2008.01)
フェブラリー・メッセンジャー/職業カタログ(2008.03)
スパンク・スワンク!/リーマンカタログ(2008.05)
昔の話はしたくない/描き下ろし
間取りの話がしたい/描き下ろし
Re:hello/描き下ろし

-------

今作もヤマシタ節が炸裂!でしたね。

相変わらず描かれた手のラインが放つエロスがよいです。
そして5冊目ともなれば、もう受け攻めをルックスで取り違えることはなかった。笑

で、表紙が…
これは最近の流行りなのでしょうか?

吉田秋生さんの『海街diary』もこんな雰囲気ですね。
BLでは神楽坂はん子さんの『駅から5分』が近いかな。『恋の話がしたい』はさらに遠景ですが…。

「一見BLじゃないっぽい!」っていう作戦!?←でもなんで?

前作『イルミナシオン』(感想はこちら)のレヴューがけっこう辛口なものが多く、ヤマシタさんの作風にあまり抵抗のない私には不思議な位だったのですが、それに比べてこちらはかなりの高評価のようです。
正直、私にはそのあたりの違いがイマイチわからないという、なんとも心もとない感じですが。汗

ただ、今作は比較的ヤマシタさんの伝えたいことが、わかりやすく表現されてた気がします。
淡々と過ぎる日常の中で繰り広げられる、一人ひとりの感情のやり取りが、実に切実だったり、時に情熱的だったりで、彼らの「誰かを恋する気持ち」に思わず引き込まれてしまいます。

「恋愛」って相手があってこそなんだ。
そんな当たり前のことがなんだか身に染みた1冊でした。


【恋の話がしたい】「BGM」 VOL.4~VOL.7掲載

…ひとを好きになるのが悪いことなわけないじゃない


輸入インテリア会社のバイヤーをしている美成(みなり・31才・ヒゲ・短髪・ゲイ・ネガ思考)は、同僚の後輩で想いを寄せていた年下の真川(しんかわ・28才・ノンケ・おめめパッチリ・ポジ思考)に勢いで気持ちを告げてしまう。真川には気持ち悪がられて振られることしか考えていなかったが美成だが、その答えは意外なことにOKで…。
* * *

赤外線送信をいまいちわかってないところに共感するよ、美成。
そして、なますをナムルと一緒にするなよ、真川。

そんなわけで。

ああ~、また!
三十路の男が恋に悩んで泣いております!

「おネガ」…。
やはりヤマシタさんもそのことには気づいていたらしい。笑

ヤマシタ作品には「ゲイであること」=「悪いこと」として全面に押し出されるものが非常に多い気がするのですが、このお話の主役である美成も、もともとはノンケの真川が自分の想いに答えようとしてくれたことに対し、とまどい、慌てふためき、挙げ句の果てに「そういう関係」にはなれないと、一方的に真川を否定しようとします。

そこで真川が電話の向こうで泣く美成に言う台詞が、冒頭で引用したひと言でした。

よかったね、美成。
真川が素直な性格の上、超ポジティブ思考の持ち主で。

ゲイだと自覚したところで、その世界に馴染めないでいる自分。
だったら何も期待しないでおこうと言うのが、これまでの美成の論理だったのでしょう。

美成は恋に臆病というよりも、ひょっとしたらすごくプライドの高い人なのではないかしら?

人を好きになれば、相手に嫌われたくないと思うし、当然かっこ悪いところも見せたくない。
誰かに傷つけられるのが怖いから、いっそ「危険」なものには近づかないことで、自分を守っていたい、とか。

だけど、そんな自身のポリシーも揺らぐほどに真川を好きになっちゃったんだと思うと、「美成、三十路のクセに初いヤツめ」と思えます。笑

恋愛って、自分を全部さらして、そんな自分を相手には理解してもらわなくてはいけないもの。
一人で出来るものではないんだなぁ。
そして、理屈でするものでもないんですよね。

じょじょに“恋をする自分”に慣れていって、真川に根こそぎ変えられちゃってください!美成よ!
そして、明日すればいい心配は、とりあえず今日はしないでおこうよ。
ね?


【Re:hello】ライバルカタログ(2008.01)掲載

…世の中には一生恋しない人だっているんだから


夏美にはゲイの叔父がいる。その叔父が初恋の人だった。
その叔父がずっと待っているメールの返事は…。
* * *

「ライバルカタログ」に掲載っていうところに、ヤマシタさんのセンスが出ている気がします。
深い。

この叔父さんというのが美成も真っ青になる位の“ネガ男”なのですが、この叔父に、かつて想いを寄せていた(いや、ひょっとしたら今も想いを寄せている)姪っ子(女子高生)視点でお話が進みます。
BLなんだけど、ちょっと斜めから人間関係を描いていく、こういうヤマシタさんの視点が好きです。

そして、印象的なモノローグや台詞が多く、言葉使いに力がある上、作中での「メール」の使い方もすごく上手い。

送られなかったメールの本文に涙を誘われた人は多かったと思う。
もちろん私ももれなく、です。

弾みで送信されたあの一通のメールが、これまで何も求めようとして来なかった彼にとって、何か新しい風が吹くきっかけになればいい。
夏美と一緒に、そんな風に心から思いました。

それだけに…

カバー下には要・注・意!!
作品の余韻を大切にしたかったら、ここは読まない方がいいかと~。

皆さんそう仰っていますが、私は他の方のレビューは自分の感想書くまであまり読まないようにしているので…
思いっきり読んじゃった!!けどな。涙

まあ、あとがきでもドリームは打ち砕かれますが。
カバー下では完膚なきまでに粉々になります。

が、またそれもヤマシタ作品の味わいか。笑


【フェブラリー・メッセンジャー】職業カタログ(2008.03)掲載

言うの怖いよ 絶対 戻れないもん


2月のある日曜日。聖ヴァレンティヌスの使者として、サンタの出で立ちで現れた唐橋が“えびせん”を届けた相手、槻橋が思うことは…。
* * *

「職業カタログ」でサンタ…!!
っていうか、使者!?

この発想に、もうかなわないと思ってしまうんですが。

この二人、どっちのルックスも可愛いですよね。
そんなにシュッとしてませんよ。
でも、多分唐橋が受け…。

しかも、二人ともなんだかこっちが恥しくなるくらい初々しい…。
め~ず~ら~し~。
たまにはいいな、こういうのも!笑

で、どうでもいいことですが私も好きです。
「坂角」のえびせん~♪


【スパンク・スワンク!】リーマンカタログ(2008.05)掲載

……好きな人の人のことひとつでも多く理解したいと思うの
悪いコトですか…?


超ガチでゲイの元田が好きなのは、笑顔が素敵な営業マンの末友さん。そんなある日、ひょんなことから実は彼がガチなドMだということが判明して…。
* * *

ゲイだけどノーマルと、ドMでもヘテロの二人…。
このカップリングが新しすぎて、果たして恋愛が成立するのか想像がつきません。汗

でも、ドMにかかれば、ゲイもただの人っていう扱いなのが、とってもツボな作品でした。

それにしても末友さん。
なんて素敵なリーマンなのか!

彼が「普通人としての仮面をかぶる生活」の苦悩を語るくだりに、なんだかとても共感してしまったんですが…。
レベル違いすぎ?

この人、肉体的にはM的に快感を得るのでしょうが、精神的にはドSですよね。笑

しかし、いざ肉体関係に及んだ時に恐らくより抵抗が無いのは(というか積極的になるのは)末友さんでしょう。
元田が彼の要求にきちんと答えられるのかが、ちょっと心配です。
大きなお世話?

さらにハードSは苦手なので、さすがに今回は専門用語を検索する勇気がありませんでした…。
世の中には知らずにいた方がいいことも、きっとあると思う。
うん。汗


【昔の話はしたくない】描き下ろし

『恋の話がしたい』で、美成に「棒」と称され、これ以上ないセフレっぷりを見せてくれた邑崎(むらさき)が主役の、かなり切ない短編。
これを読むと、美成がいかに自己完結型の性格だったのかがわかります。

ああ、邑崎がちょっとでも美成の好みのタイプだったら、少しは先行きが変わっていたかもしれないんだなぁ。

心の奥に秘めた長年の恋は実らなかったけど、きっとこれからいいこともあるよ。
自分の身の程をわきまえていさぎよく身を引いた邑崎にも、幸せが訪れることを願います。

【間取りの話がしたい】描き下ろし(1p)

引き続き、美成と真川の日常会話。
美成の軽口に嫉妬をあらわにする真川。
自分の生活に、そうやって他人が侵入してくるのも、また新しい経験なんだろうな。
よかったね、美成。

で、またどうでもいいけど1コマ目の真川がすごいかわいい。


【Re:hello】描き下ろし(1p)

ああ~、ちばちゃん、って感じするする!みたいな。笑

そう言えば、ゲイゲイしいって言葉を初めて聞いたのは、よしながさんの『アンテ●ーク』同人誌だったかと。
その時は、「男二人で泳ぐだなんて、そんなゲイゲイしい!」ってなことを、橘とチィが週に2回は一緒にプールに通っているって聞いた時に小野が言ってました。(たしかにちょっとキ○イ…)


とまあ、今回はあまりイタくもなく、ソフトな感じで非常に楽しい1冊でした!

このレベルの漫画を相変わらずのハイペースで量産し続けてるってことが、ともかくすごいと思うんですよね~。

12月にはぺーパー連動企画絶賛実施中の『薔薇の瞳は爆弾』(リブレ刊)が続きますね!
そっちはどんなテイストなのかしら?
とりあえず、コマシのホモが出るらしい。←ペーパーより憶測。笑

発売日にはサイン会にも行きますし!
お楽しみが継続してうれしいです♪

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