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山口美由紀『フィーメンニンは謳う』全2巻(白泉社文庫)

山口美由紀さんの「フィーメンニンは謳う」(白泉社文庫/全2巻)を読みました!

フィーメンニン1フィーメンニン2


ドイツの勤勉女学生リーナは勉強にバイトにと忙しい毎日を送っていた。そんな彼女のライバルは、無愛想でちょっと風変わりなユリウス。そんなある日、自分にしか見えない小さな女の子を拾ったことから、リーナの日常は大きく変わっていくことに。女の子ミルッヒのために「あちらの世界」に旅立つことを決意したリーナ。そこにはとんでもない事件が待ち受けていて…。

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『フィーメンニンは謳う』は1990~91年にかけて「花とゆめ」に連載されました。

ファンタジー好きにとっては外せない作家さんである山口美由紀さんの代表作ともいえるこの作品。
文庫で出版されることになって、多くの人が喜びの涙を流したことでしょう。笑

山口美由紀さんの美しく繊細な絵柄は、まさにファンタジーむき!
清水玲子さんのファン同様、「この絵が大好き!」と仰るファンが多いことと思います。
もちろん、カラーイラストも素晴らしい!!

ファンの間では2冊目の「画集出版運動」も展開中です。



改めて見ると、確かにご本人も仰るように近年よりもずっと華奢な絵柄です。
特に男性…。
シルビィなんて、もう折れてしまいそう~!
うふふ♪←なぜ喜ぶ?

いつまでも古びることのない、ファンタジーの底力を感じる作品です。



ファンタジー好きの方なら過去に1度は読み、ファンともなれば手元に置いて何度も繰り返し読み返してしまう作品。
それが『フィーメンニンは謳う』だと思います。

登場人物や絵柄が美しい・可愛い・カッコいいだけでなく、少女マンガならではのギャグとシリアスのバランスの良さ、二転三転し読者を飽きさせない良く練られたプロット、敵であるはずの魔につく者達の悲哀、リーナの封印された過去など、どこをとっても面白い!からです。


かつては共存していた「ヒト」と、「ヒトならざるモノ達」。
現在はヒトの世界=こっちの世界と、ヒトならざるモノ達の世界=あっちの世界とに別れているが、妖精界の女王であるミルッヒ(リーナのつけた愛称)を立派に成長させるために「最後の聖なる乙女」としての役割を果たすべく妖精界に旅立つリーナ。その旅に偶然同行するはめになった(ふりをしている)ユリウス。妖精界からはリーナをサポートしてくれるシルビィがやって来ていた。
彼の姿を見て、いつも見る不思議な夢に現れる少年を連想するリーナ。果たして彼の正体は?
魔の女王ラミアドナとその下僕フェロールの追ってから逃げつつ、ミルッヒのために「聖なる花畑」を目指すリーナたち。その旅の最後、リーナは幼い頃に自ら封印した辛い過去と対峙することになる…。


とまあ、こんな感じのあらすじですが、作中は笑いあり(妖精ファーがいい味出してます!一部作者の分身説あり)、涙あり(ラミアドナとフェロールの逸話に思わず目頭が…)、アクションあり(ユリウスが優等生にありがちな貧弱眼鏡キャラと思わせておいて、意外と武闘派!)、恋愛模様あり(リーナをめぐっていい男二人が争ったり~♪)と、
全編に少女マンガならでは!
かつファンタジーならでは!
なエピソードが盛りだくさんです!!

一度読み出したら、続きが気になって仕方なく感じてしまうはず。
そしてほぼ物語も終盤に入ってからの「あっ!」と驚く怒涛の展開には、ますますページをめくる手が止まりません!!


個人的にはラミアドナとフェロールの関係が、かなりツボ。
なんせ主従モノです!
ラミアドナの魔の部分だけでなく、その奥深くに秘めた哀しみにうまくスポットを当てていて決して彼女を憎むことが出来ません。
そして彼女が善であれ悪であれ、心底尽くし、己のすべてを捧げる一途なフェロール…。
(ここらへん「ベルばら」のアンドレを彷彿とさせたり。)
ここまで愛されたら、ラミアドナも女冥利につきると言うもの。
はっきり言ってうらやましい!!爆
以前読んだ時には、こんな風に感じなかったんだけどな~。汗
ユリウスとシルビィの恋の鞘当の方にドキドキしたものなのだが…。


ユリウスとシルビィ、といえば。
私は見た目もキラキラしいシルビィのファンなのですが、改めて読み返してみると、ユリウスの秘めた男らしさもなかなかのもの。
見た目と同様、言動も派手なシルビィに比べて、ユリウスはまさに「男は黙って…」なタイプ。
シルビィが隣国から来た王子様なら、ユリウスはまさに自国の近衛隊長。
若い頃は「無口で無愛想で、なんだか面白くない男性ね~」なんて思っていたところが、年齢を重ねてはじめてその人物のよさがわかったわ、みたいな。笑
リーナの揺れ動く乙女心と一緒に、彼らにドキドキしちゃいます!

本当にいいですよね~、「少女マンガ」って。
いくつになっても(←ここ大切)、瞬時に恋する乙女に戻れますから!爆
続編の「タッジー・マッジー」(感想はこちら)も、この作品とは違ったシルビィが見られてオススメ!
要チェックですよ♪


「妖精界を彼らと一緒に旅している…。」
そんな気分に浸れること請け合いのこの作品。
並木、花畑、緑豊かな森、夜空にまたたく星のきらめき。
そんないつもの風景の中に、妖精の姿を探したくなって来ます。

娘がいたら、絶対に読ませたい!
これは親子二代で楽しめる、良質のエンターテイメントです。

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