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清水玲子「秘密―トップ・シークレット― 5」(白泉社/ジェッツコミックス)

4巻がついこの前出たような気がしていましたが、もう5巻が発売ですか!
そして、これまでのよりちょっぴりお値段が高いのは岡部へのご祝儀か!?

ということで、清水玲子さん「秘密―トップ・シークレット― 5」(白泉社/ジェッツコミックス)を読みました!

秘密(トップ・シークレット) 5 (5) (ジェッツコミックス)
薪警視正率いる第九メンバーが挑むのは…25年前の死体。奇跡的に屍蝋化して発見された脳の記憶再現は可能か…!?コワモテの岡部さんが主役のスピンオフ特別編も同時収録!! 
■初出■
秘密―トップ・シークレット―2008/メロディ 2008年2・4・6月号
秘密―トップ・シークレット―特別編/メロディ 2006年1月号
上記掲載分に加筆・修正

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MRIの開発によって、人の脳の生前の記憶を見ることが出来るようになった近未来。
それによって、多くの犯罪捜査に多大な恩恵がもたらされるようになった。
だが、その行為は故人だけが胸に抱えていた「秘密」を、第三者が覗き見る事でもあった…。


今回は、死を目前にしたある男が懺悔として告白した25年前の殺人事件と、それをきっかけに偶然見つかったある男の死体が絡む、2つの事件がメインになっています。
さらに、あの岡部がとうとう主役!のサイドストーリーが収録。

今回は「親子のつながり」について深く考えさせる内容でした。
そして、薪さんはどこに向かって行こうとしているのでしょうか…。


【秘密―トップ・シークレット―2008】

あなたは私を決して見ようとしない
だけど あなたが誰より大切に思う人は いつもあなたより 私を見るのよ


犯人の証言通りに掘り進めた事件現場。
そこで見つかった脂漏化(しろうか=身体の死亡が土の中の成分と化学変化を起こして石鹸のようになった) した死体。
だが、それは25年前に殺して埋めたと告白された「子どもの死体」ではなかった…。
この死体は誰なのか?
どうしてここに埋められていたのか?
その脳の映像を解析した薪や青木が知った、驚愕の真実とは…。

* * *

今回も、“親子の関係”が事件の下敷きとして重要な要素を持っていました。

殺してしまいたいほどの憎しみを親に抱く子ども。
子を愛してやまない親の情の強さ。

その対照的な感情によって悲劇的な結末を迎えることになった二組の親子が、ひとつの脂漏化死体を通じてリンクします。

血が繋がっているゆえの、愛憎の重さをひしひしと感じる作品です。

年老いた母親が長年心に抱えて来た闇と、兄が妹に対して感じていた負い目と愛情。
そのどちらについても「正義のあり方」を考えさせられます。

こういう事件に対して、法が正しい判決を下すことが可能なのだろうか。
理性ではどうすることも出来ない人間の心理に、第三者が審判を下せるのだろうか。

出せない答えに重苦しい気持ちになりました。


で。

あまりに急な展開で驚いたのが、三好先生と薪さん、そして青木の関係です。
4巻(感想はこちら)で、なんとな~くそんな気配を漂わせていた薪さん。

や、やはりそうだったんですね…。

なんとなく匂わせていたことが明白になって、もっとすっきりするかと思ったんですけど、なんだか後味が非常に悪い・・・。
それは何故かと考えたら、三好先生の言動によるものに他ならないと気づいてしまいました。

「非常に有能な女性」のはずなのに、前回は自分の爪に現れたウイルス感染の兆候を見逃し、今回も脂漏化死体の刺し傷の角度を見逃すなんて…
出来る“監察医”としてはあまりにお粗末じゃないですか!?
そもそも解剖中に携帯で私用電話ってどうなんだ。

しかも、薪さんに(多分に私情も絡んでるだろうあたり、薪さんもちょっとなんなんですが)プライドを傷つけられたからと言って、あの逆ギレぶり…。
正直言って、この描写にはガッカリでした。

こうなると、三好先生は青木があそこまで思い入れる価値のある女性なのか、はなはだ疑問なんですが、やはり女性は恋をすると脆くなる、ということを仰りたいのかしらん。
清水さんは三好先生を通して、素直になりたくてもなれない、「大人の女の恋心の複雑さ」を表したかったのかもしれませんね。

まあ、青木は単純に「女、子どもは守るべきもの」という価値観で動いているし、薪さんの気持ちになんて天と地がひっくり返っても気が付かないでしょうけどね。
ハー。←ため息

誰よりも傷ついている薪さんは、誰によって救われるのでしょうか。


【秘密―トップ・シークレット―特別編】

岡部が36歳、という真実がはじめて明らかになったお話ですね。
私よりも年下だったのが複雑な気持ちです。
いえ、大事なのはそこじゃないんですけど。

そして、どうやら薪さんは三好先生と同じ35歳だったらしいので(同期って何度も出てきましたもんね)、岡部よりも下だったじゃん!!と、残念なようなほっとしたような心持です。
とまあ、大事なのはここでもないんですけど。

「岡部編」とも言える「特別編」は、幼い兄弟と岡部の心温まるストーリー…かと思わせておいて、どっこい衝撃的な展開でした。

お兄ちゃんの立場としては果たしてここまで思い悩むだろうか、と、年子の妹のいる姉の立場であった自分の子ども時代を思い起こしたりしてみましたが、1人っ子の親である今は、息子に兄弟がいたら確実に下の子を甘やかしてしまうだろうという気持ちになるし、周囲では実際そういう声も多く聞きます。

「秘密 2008」のテーマでもあった「親と子の関係」が、発表時の2006年の時点ですでに扱われていたこと、そして現在の犯罪が親子関係によって起因するもののなんと多いことかに思い至って、「秘密」の世界が近未来の話でなく、我々にもとても身近な世界として迫っていると感じました。

ここで岡部がMRI捜査のことを「仕方なく導入されたとても悲しい捜査方法」だと表現しています。

口があるんだから話し合って 耳があるんだから聞いて尋ねて 説得すれば 
総て解決する
本来そうあるべきなんです 同じ人間同士なんですから
(中略)
これはお互い言葉も通じない まったく意思疎通が出来ない 
まるでケモノ同士のような世界の中でのみ必要な手段なんです


だけど、実際には何食わぬ顔で社会生活を送る凶悪事件の犯人が存在する。
だから「動かぬ証拠」を目の前につきつけないといけない…。

涙ながらに語った岡部の言葉には、人同士がもっと言葉を交わし、気持ちを伝え合うことの大切さを感じます。
そうすれば、何かが変わるかもしれない。
親子の関係も、恋人同士でも。

そんなことを思っていたら、薪さんにはもっと素直に気持ちを語らせてあげたくなりました。
彼のすべてを受け止めてくれる誰かがきっといるはず。
そう信じたいです。

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