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石原理『テッペンカケタカ』(ミリオンコミックス)

あー、これもう面白すぎて、どうしよう!?って感じなんですが。

ということで、石原理さんの新刊『テッペンカケタカ』(大洋図書/ミリオンコミックスHertz Series 41)を読みました!

テッペンカケタカ (ミリオンコミックス  Hertz Series 41)
ジョン・レノンの亡くなった年の暮れに生まれた龍園寅次郎。
そして、ふたつ年上の幼馴染み・さくら。
不遇の子供時代、ふたりは互いへの絶対的な信頼だけを支えに暮らした。
お前は俺のものだから。俺はお前のものだから。
互いに人生を賭けた、男たちの物語が始まる!!

■初出■
CRAFT Vol.23・2005,vol.27・2006
HertZband.17,18,21,23・2007 band25・2008

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さくらが黒髪・短髪なのはかなり新鮮~!
石原さんの描くキャラは見た目も中身も、攻めは「黒」で、受けは「白」なイメージなもので。

さて。

「ヤ○ザ」と「やんちゃ」を描かせたら右に出るもの無し!!の石原さん。

その作品にハズレ無し!
と、断言できる大御所の作家さんですが、その長い創作活動の中でも、今が一番ノってる感じがします。


“「ヤ○ザ」と「医者」の組み合わせが大好きで(中略)それは多分生命に対する倫理と立場の対立があるからだ”とは、あとがきでの石原さんの言葉。

その思惑とはまた違った方向に進んでいく二人(寅とさくら)ですが、“描くたびに愛情が湧く”と言う恵まれたキャラだけに、非常に冴え渡った描写が素晴らしい。

男同士の矜持と野心がぶつかりあう、石原節が炸裂です!


【テッペンカケタカ】

おれはもう さくらだけ おったらええ   世の中のなんもいらん 
さくらだけ おったらええねん


龍園寅次郎と2つ年上の海老沢さくらは、アパートで部屋が隣同士の幼馴染。互いに親の愛情薄く、不遇な子ども時代を過ごしてい二人は、いつも助け合って暮らしていた。
ひょんなことから四ツ菱会の会長に目をつけられたさくらと、その将来を賭けた勝負に横槍を入れた寅次郎。二人の絆はより固く結ばれて…。
やがて成長した二人は子どもの頃に約束した、天辺を目指して駆け上る!

* * *

寅次郎とさくら。

この名前から連想するのは、かの柴又生まれのフーテンな国民的ヒーローとその健気な妹…に他ならないわけですが、やはり根底に流れるのは「人情」なのか、ということで。笑

こりゃもうなんと言っても関西弁が効いています。
ヤクザの世界なんて、この世の果てにあるような遠い世界のはずなのに、ビンビンに迫ってくるリアル感は登場人物が繰り出す言葉が生きているからかと。
「愛してる」なんて言葉じゃ、どことなく軽い。
こういう場合、やっぱり「惚れる」、がしっくり来ますよね~。

男が惚れる男、をこれまでも多く描き出して来た石原さんの作品の中でも、ここまで多種多様な「男っぽさ」が堪能出来る作品も他にないのでは!?

まず主役である寅とさくら。
そして、その兄貴分?の緋高と八代。
さらには四ツ菱会の会長と、代貸、またその舎弟たちに至るまで。

皆がみんな、それぞれに違った趣の“男フェロモン”をムンムンさせてます。笑

「序章」では現在(成長後)の寅とさくら。
頁数がもっとも多く裂かれている「第一章 黎明編」では、小学生の寅とさくら。
そして「第二章 学生編」では、少し成長した高校生のさくらと中学生の寅、が登場。

初っ端(「序章」)からこの二人の関係が読者に明示されてしまうので、「こう至った成り行き」を二人の成長過程と共になぞっていく形になるのですが、この時間軸の順列については石原さんも思うところがあったようです。

確かに、二人の子ども時代から順を追って成長するさまを楽しむ、というのもなかなか魅力的ですもんね…。
でも、最初にかましておいて、遡ってその絆を晒していくというのも、なかなか乙な演出じゃないかと。

一つの毛布にくるまって眠る捨て犬のような寅とさくらの生い立ちのドラマは、さすが石原さんならでは。
寅と四ツ菱会長の、さくらを賭けての将棋対決なんて、もうBLの枠を超えちゃってますから。笑

そして、肝が太くてさくら一筋!の寅のやんちゃっぷりが、なんとも可愛い~♡
胸がキュンとしちゃいます!←死語

母親譲りの美貌を持つさくらに対する劣情を胸に抱え、まだモヤモヤとして形にならない感情を掴みかねている寅の描写がこれまたよいです。

さくらも、ただ上っ面が綺麗というだけでない、内側からあふれ出るような透明な美しさがいい。
「あいつの前ではぜったい泣かん」と拭いもせずに大粒の涙をこぼす、その涙顔がとてもきれいで印象的なシーンになりました。

そして、「黎明編」ではなにかと寅に助太刀してくれる四ツ菱会の№2、緋高と八代のアダルトカップルが、石原さんの描く典型的な「黒い」攻めと「白い」受けとしてお話に色香を添えてくれます。
八代さんが四ツ菱会長に放ったひと言が実に衝撃的でしたが、下衆なヤクザの道理を立てつつ、巧くおさめた緋高は、やはりカッコよかった。
この二人の今、もとても気になります。

「学生編」では、施設を飛び出した寅とさくらが2年ぶりの再会を果たすまでが描かれますが、そこで以下続刊!

そして、どうやらここからこの二人がいよいよ!ヤバくなるらしい!!笑←裏表紙をチェックして確信
続きがすごく楽しみ♪


寅とさくら。
この互いを半身として生きるような二人が、どんな高みにまで行き着くか?そしてホトトギスをどう鳴かすのか!?
しっかり見届けたいと思います!



【追記】

今発売中の『ぱふ 2008年8月号』に石原理さんのインタビュー記事が掲載!
今まで発表された全作品が紹介されてますよ
ファンは要チェック!です♪

ぱふ 2008年 08月号 [雑誌]
「ぱふ 2008年 08月号」
巻頭特集 魅惑のヴァンパイア~『ヴァンパイア騎士』樋野まつり、『Vassalord.』黒乃奈々絵-乙女を虜にする闇の誘惑・・・インタビュー&作品ガイドで古今の名作コミックをお届け!/ぱふレポート 井上雄彦 最後のマンガ展-上野の森に表れた前代未聞の展覧会/神の座を争う未来予知者たち!壮絶なサバイバル・ストーリー!!『未来日記』-えすのサカエ

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