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宮本佳野「手をつないで、空を 宮本佳野作品集」(BBC DX)

もの凄く好き、という訳ではないのだけれど、なんだか居住まいがとても気になる人…。
宮本さんの作品は、私にとってそういう感じです。

ということで、宮本佳野さんの「手をつないで、空を 宮本佳野作品集」(リブレ出版/ビーボーイコミックスDX)を読みました♪

手をつないで、空を
新鋭の有望作家と期待されながらスランプに陥ってしまった小説家の伊藤晴也は、ある日海辺で少年を拾う。真希という名の彼は、人と接するのがヘタでいつも一人。
そんな彼をほうっておけず、晴也は同居を始めるが、ひた向きに自分を慕ってくる真希が愛しくなりはじめ…!
繊細な恋心をていねいに綴った表題作他、単行本未収録作品+描き下ろしを92ページ収録した珠玉の豪華作品集!!


■初出一覧■
手をつないで、空を Act.1/BE・BOY GOLD(’04年8月号)掲載
手をつないで、空を Act.2/BE・BOY GOLD(’04年10月号)掲載
手をつないで、空を Act.3/BE・BOY GOLD(’04年12月号)掲載
手をつないで、空を Act.4/BE・BOY GOLD(’05年2月号)掲載
手をつないで、空を Act.5/BE・BOY GOLD(’05年4月号)掲載
もうひとつの空/描き下ろし
キス・ミー・ダディ/b-BOY Luv⑫(’04年11月)掲載
メイク・ミー・ハッピー/b-BOY Luv⑬(’05年1月)掲載
WALKIN’ON THE MOON/描き下ろし
※2005年7月にスーパービーボーイコミックス「手をつないで、空を」、「メイク・ミー・ハッピー」として刊行されたものから上記作品を抜粋、以下の作品を追加収録。
フェイド/小説BEaST(’05年Summer号)掲載
クローズド/ディープアクアVol.1(’02年12月オークラ出版)掲載
エコー・ナイト/小説BEaST(’05年Autumn号)掲載
秘密/描き下ろし
あとがき/描き下ろし

--------------

ま~、なんかえらく洒落た装丁ですこと。
イラストの部分が銀のですよ!
下手に触ると汚れそうで、すごく気を使ってしまいました。←カバーをかけましょう

宮本さんの作品は、BLコミックを読み出した当初から気になっていて、既刊分はほぼ読んでいるかと思います。

ただ、突然ハマって、既刊分を一気に読破!!
してみたものの、人物世界が微妙に入り組む“宮本作品の迷宮”に迷い込んでしまい、途中でなにが何だかごっちゃになってしまいました…。
で、一読した後はとりあえず段ボールに詰め込んでしまったという。

わ~!!なんだかごめんなさい!!汗

で、再販されたのを機に、この作品も久しぶりに読み返しましたが、やっぱり宮本さん独特の人物描写が面白かった!

小説家(ゲイ)x潔癖症の少年(ゲイ?)のお話と、バイト先の社長(ノンケ)x大学生(ゲイ)のお話という、まったく毛色の違うカップルも、この方にかかると、なぜだかすっかり宮本色に染まるという。笑

テーマは重くても、後味はさらっと軽やか。
宮本佳野さんならではの、人間ドラマをお楽しみいただけます!


【手をつないで、空を】

学生時代に賞を取りながらその後作品が書けず、今やライターとして生計をたてている小説家・伊藤晴也は、ある日、まるで捨て猫のような少年・真希(まき)を海辺で拾ってくる。
潔癖症で人馴れしていない真希に、最初は作家的な興味から関心を抱いた晴也だったが、いつしかその純真で無垢な様子に心惹かれていく。
だが、編集担当で、学生時代からの友人、かつセフレの関係にあった八木沢は、そのことを快く思わずに…。

手をつないで、空を POP
『手をつないで、空を POP』 ©宮本佳野/リブレ出版




* * *

宮本作品の登場人物にはなんだかダメダメな人々が多い気がします…。
そんな彼らが、ねたんだり、嫉妬したりしながら、精一杯愛し合ってる印象が強いです。

作品の根底に流れるのは、きっと人間への愛おしさなのかな~、と。

ちょっとずつ、ちょっとずつ、擦りよっていって、もたれあう。
誰かを傷つけてしまったとしても、自分に素直に生きていけたらいい。

多くの作品から、そんなメッセージが読み取れるかと。

宮本さんの絵柄はあくまで繊細で美しいのですが、人物の所作が実に人間らしくて、そこがとても好きです。
ちっちゃいため息とか、鼻をグスってすすったり、ふとした時のくしゃみ、とか…。
ささいな仕草でその人の感情の機微を描き出すのが上手です。

美形キャラも多く、絵柄的にはもっと硬質な印象があっても良さそうに思えますが、その人間くさい仕草のせいか、全体の感触は実にウェット!
登場人物の泣いたり笑ったりの感情表現が、ストレートなせいかもしれません。

さて。

「手をつないで、空を」は、宮本さん曰く「傷ついた人々の再生の物語」とのこと。

主役の伊藤晴也は、「ライターズ・ブロック」(書くべきアイディアが何も浮かばず、どうがんばっても書き上げることができそうにない状態)に陥っていて、そんな晴也に拾われた美希は、母親に育児放棄(ネグレクト)され、学校でいじめられたことで発症した潔癖症に悩んでいます。

そんな、互いに傷を抱えた者同士が、じょじょに心を寄せ合っていく…
わけですが、ここで大きな役割を占めるのが、晴也の友人かつセフレで編集者の八木沢です。

学生時代から晴也に対して恋心を抱いていた八木沢は、晴也が急速に美希に心惹かれていく様子に耐えられず、美希に対して理不尽な暴力さえ振るおうとします。

この所業には
おいおい、大の大人が何やってんだー!!
と、叫び出したくなってみたり…。汗

この八木沢はまさに当て馬なわけで、これまたお気の毒なキャラなのですが、なりふり構わずに欲しいものは欲しいんだ!とカッコつけずにバカ正直な行動に出てしまう。
このどうしようもない弱さもまた、ダメなヒトの愛しいところなのかと思います。

主人公二人はなんだかんだ言ってけっこうすんなり気持ちを通わせてしまうので、読んでいてイタイ八木沢についつい目が行ってしまったのですが、宮本さんの作品では、かなりの確率でこういうキャラはスピンオフに流れるんだよな~、と思ったらやはり「甘やかな棘」(リブレ出版/SBBC)につながっていました~!

いや、実はこっちは未読なんですよね。
う~ん、どうせなら、これを同時収録してもらいたかったって言うのは…
さすがに無理ですね。汗

描き下ろしの『秘密』でちょっと(というか、大分!)成長した晴也と美希の姿が見られたのには、ほっと胸をなで下ろしました。
宮本さんの描くカップルは、ラブラブなんだけど、期間限定のラブラブ、っていうか、刹那的な恋の雰囲気が多い気がするので。

でも、記憶が混乱していて、ちょっとあいまいだわ・・・。汗
これを機に、しまいこんだ宮本作品を引っ張り出して、改めて読み直してみようかと思います。


【キス・ミー・ダディ】【メイク・ミー・ハッピー】

超美人な大学生・直巳が好きになった相手はバイト先の社長・柴田。年上のくせに優柔不断でヘタレ、だけどふとした大人の優しさにメロメロで…? でも本当は自分に合わせてくれてるだけ? 本気だからこそ憶病になる恋、ラブ満載で描き下ろしアリ!
(ビブロス版解説より)

* * *

いやはや。

柴田さんたら、まさに典型的なオヤジですよ。(でもまだ36…)
若い女の子が好きなオヤジは、きれいな男の子も好きなんですよ。

と、それがテーマのお話です。笑

だけど、カラッとしていて読後感よし!です。
そして、宮本さん特有のエロスがあふれるなにのシーンもまたよいです。


【フェイド】

化粧品会社の広報室に勤める森川(ゲイ)は、社内恋愛していた元カレにゲイであることを吹聴されて、職場でも独身寮でも肩身の狭い思いをしていた。
だが、同じ部署の若手社員である比嘉は、そんな森川に興味のある素振りを見せてきて…。

* * *

社内にゲイのたくさんいる会社です。
よいですね~♪笑

森川さんのスーツに眼鏡が…またよいです。笑

だけど、こんな嫌がらせをされたら、現実としては会社は辞めざるを得ないでしょうが…。
こんな頼りになる年下の彼が社内にいたら、毎日楽しいだろうな~。

短編なこともあり、起承転結が簡潔で、サラリーマンものとして純粋に楽しめました!


【クローズド】【エコーナイト】

いずれも短編です。
クローズドはソフト監禁?もの。
エコーナイトは逃避行?ものです。

どっちも不思議で、宮本色がとても強い作品。

さらにいずれも「これから一体どーなんの!?」という期待が高まるラストなので、続きは存分に妄想なさってみて下さい。笑


とまあ、不思議な寂しさと明るさが同居する、宮本さんの独自な世界。
一度知ってしまうと、きっと癖になりますよ!
未読の方はぜひ一度「宮本ワールド」をお試し下さい♪

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