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新田祐克『春を抱いていた 3』(ビブロス・SBBC)

『春を抱いていた』第3巻は(ビブロス・スーパービーボーイコミックス)は「スウィートホーム購入記念号(?)」!


春を抱いていた 3 (3)>「パラドックス・ドッグス」b-BoyZips1999年11月月号掲載
 「イノセント・ヴァンプ」 b-BoyZips2000年1月号掲載
 「オールウェイズ」b-BoyZips2000年5月号掲載
 「ファースト・クライ」(前後編)BE・BOY・GOLD2000年8・10月掲載
 「岩城さんと香藤くんのご新居訪問!!」b-BoyZips2000年5月号掲載
 「岩城さんのカバンの中身拝見」b-BoyZips2000年1月号掲載
 「香藤くんのカバンの中身拝見」b-BoyZips2000年3月号掲載
 (画像はリブレ出版から発売の新装版になります)


岩城に気持ちを受入れてもらった香藤は、岩城とのHに明け暮れる日々…。さすがに10日連続で仕事にも支障をきたすようになった岩城が、「求め」を拒むと香藤が逆ギレ!!香藤がいない部屋で岩城の思うことは…。

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「ラブラブな2人なのに、どうしてそんなに怖い顔なんですか!?」
 と思わずツッコミたくなる表紙の二人(特に岩城さん…)。

香藤の気持ちを受入れた岩城が次に起こした行動、新居への引越し、岩城の実家との確執の顛末など今後の二人の歩む人生の第一歩となるお話です。

このあたりから香藤くん、岩城さんからビシバシ躾け(調教…?)られてますね。
あんまり成果が出てこないけど。笑

ということでアマアマのようでいて、しっかりビター。
大人の味わいの第3巻です。


やはり「家を建てる」という行為は、ゲイの方にとっても「この相手と一緒に人生守りに入る」という意味合いが強いのですね。
よしながふみさんの「月とサンダル」(芳文社)のジャイアンと小林しかり。
(この二人の場合マンションを購入したんだけど。)
もちろん、多くの男女のカップルにおいてもそうでしょう。
(ちなみに我が家の場合は、転勤があるため賃貸派です。)

この時点で岩城29歳、香藤24歳。
まあ家を買うにはいいお年頃…って二人ともぜんぜん若いじゃん!!
男が気になるなんて今はまだ若いからだ、もともとノンケだし、これからどうなるかなんてわからない…とは思わなかったのでしょうか?

「こういう商売やってたらいつ憂き目を見るかもしれない。今は人気も安定していて銀行の融資もかなり期待できる。だから家を買うなら今のうちだ!(岩城心の声)」…みたいな?

いえいえ、きっと「こいつが俺の運命の相手だ!!」って勢いなんですね。
私ったら、このところピュアな気持ちを失いがちで…すみません。

それにしても、岩城さんの性格ってほんとに真面目というか、固いというか…。
「香藤とのこれからの人生ために、家を買う」=プロポーズ(と香藤くんは受け取るし、岩城さんも否定しない)ですもんね。

岩城さんの場合、テレもあるんでしょうけど愛情表現が淡白かと思えば、極端に走るから、香藤くんも大変です~~。
まさかいきなり「家買う」なんて、誰も思いませんよ。あなた。
とはいえ、逆上した香藤くんのあの「確かめ方」も尋常じゃありませんが。
不動産屋さんも、すれ違いざまに、罪なことをしたものです。笑

事実を知ってほんと嬉しかっただろうね。
「よかった、あんた達、よかったよ~。」←すっかり親戚のおばちゃん気分

さて、いよいよ「二人の今後の保証のために購入した新居」(ほんと実直!!)にお引越し!

岩城さんが過去に出演したAVをごっそり(これがすごい量!!)持ってです。
全部きちんと保管してるってのが、岩城さんらしくて爆笑!!
しかも香藤くんが「まだ俺が知らない岩城さんを捨てるなんて言わないで!」ってすがるところでもまたまた爆笑!!

…人から見たらバカみたいなんだろうな…俺達―――


という、岩城さんのモノローグに「わかってんじゃん!!」とツッコんだのは、私だけじゃないはず。
はいはい、勝手にやっててよ~~。

香藤くんの押しかけ同棲、仕事抜きでの初H、岩城さんの告白…など思い出がたくさん詰まった部屋ともお別れし、新居に引っ越した彼らを佐和さん&雪人くんが手伝いに来ます。

ここでは佐和さんの「おばキャラ」が炸裂で爆笑!!
こんな人だったっけ!?佐和さん??
「岩城くん、優しい顔になった」って、エプロンで涙ぬぐってます~~!
親族とは縁を切ったも同然の岩城さんの、まさに親戚のおばちゃんですね。負けました。

でも、佐和さん。
手伝ったお礼に岩城さん出演のAV借りてホクホクですが、確か「全部もってます」って1巻で言ってませんでした?
デビュー作はレアだったのかしら。
それと、雪人くんと一緒には見ないで欲しいのでよろしくお願いします。
(雪人くんに大してはなんだか夢見がちな私。)

さあ、ここまでは
「まあ、やっぱり新婚さんには当てられっぱなしだわね~~。ご馳走さま!」
といった感じの3巻ですが、岩城さんの実家との確執と苦悩を描いた「First Cry-産声-」でその思いは良いように裏切られます。


金沢の旧家である実家とは家を出た時からほぼ絶縁状態だった岩城。
さらに元AV男優であり、現在は男と同棲している彼を拒否する兄。そのため病気入院中だった母親の死に目に会えないどころか、葬儀にも呼ばれることがなかった。マスコミの報道によって知らされた事実に衝撃を受ける岩城と、その姿に心を痛める香藤。このままではいけないと香藤に説得され実家に向かうが、母親への焼香も許さない兄との感情はすれ違うばかりだった…。

岩城さんの葛藤、そしてそんな岩城を想う香藤くんの決断がずっしりと心に響く、シリアスでドラマティックな物語です。

普段あまり表に出ない(出さない?)岩城さんの香藤くんに対する愛情、そして信頼というものが弱った全身から溢れています。
それを真摯に受け止め、何とかしたいと岩城の実家に単身乗り込み説得しようとする香藤…。
普段は天然で能天気、いかにも芸能人らしいチャラい外見で軽いイメージの香藤くんですが、芯はガッチリした男らしい性格で、岩城さんじゃなくとも惚れ直します!!


「誇らしい息子や弟でいたいってずっと思ってた…!!」
「もう後戻りできない。愛しているんだ」


最後、土下座し家族の許しを乞う岩城さんの胸を打つ言葉に、どうぞ泣いてください。

そして、この姿を見たからこそ、この二人にはずっと幸せでいて欲しいと切実に思えるのです。

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