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京山あつき『見えない星』(ミリオンコミックス)

名作と名高い『聞こえない声』、待望の続編。

京山あつきさんの『見えない星』(大洋図書/ミリオンコミックス)を読みました!

見えない星 (ミリオンコミックス) (ミリオンコミックス  Hertz Series 38)
先輩として尊敬し憧れていた今井に、口説き落とされた引田。
部活の練習後、キスを繰り返すうちに互いの「好き」という気持ちが
深くなってゆくのだが・・・
『聞こえない声』待望の続編登場!

■初出■
春。新学期 聞こえない声 番外編/HertZ band.17[2006]
見えない星 オープニング/描き下ろし
見えない星 第1話-最終話/HertZ band.19-22.24[2007-2008]加筆・修正あり
あとがき/描き下ろし

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京山あつきさんと言えば『仮面ティーチャー』(キャラコミックス)で正しいショタの道を説き、『KISS MEテニスボーイ』(キャラコミックス)で、恋に盲目となった少年の一途さを描ききり、一般的なBLとは一線を画した視点の切込みがたいへん独特な作家さんです。

前作の『聞こえない声』でも、受けキャラとしてBL史上まれに見る不細・・・コホン。
いえ、素朴さで、一部からは「昭和の子」とさえ言わしめた引田くんを配し(だって、今時の野球漫画に坊主はいないでしょ!?←あ、花井がいたか。汗(by「おお振り」)、その意外性とストーリーの純粋さで世間をあっと言わせました。←大げさ?

漫画は絵柄にこだわりがちな私ですが、一見ラフに見える京山さんの絵には、実は独特な色気があって、けっこう好きなんです。
でも、さすがにはじめて引田くんを見たときは、かなりびっくりしましたが…。汗

そして、この子にはあんまり汚れて欲しくないなあ、と思っていたのですが、いさぎよく前言撤回します。
やっぱり京山さんはあらゆる意味で、BL界の先端を行く作家さんでした!


【見えない星】

頭の中では
「こんなところで」と思っているのに
キスをしていたかった


その実力と人柄から多くの人望を集める野球部の3年・今井と、一見地味でぱっとしないけれど大変努力家な後輩の引田。二人は互いに想いあっているけれど、部活は忙しくてなかなか二人きりの時間を持つことが出来ない。
でも、練習後の夜の用具室だけは、二人にとっての特別な空間で…。

* * *

って、君たちどこまで初々しいんだ~~ッ!

ああ、ヤバイ。
あんまり初々しくって、遠い過去に置き忘れてきた“恋するときめき”ってやつを思い出しちゃうぜ。

前作「聞こえない声」でも、ドギマギしながらこの二人を見守る気分だったのですが、今回はさらによかったです!

引田がカッコイイ今井にどんどん惹かれていって、「好きって気持ちがちゃんと伝わるように」懸命にキスを返そうとする。
今井のことを思い返すと、幸せな気持ちになって涙があふれてくる。
他人が今井に見せる好意を、誇らしく感じる反面、嫉妬も感じてしまう…。

「人を好きになること」を、理屈じゃなく、心と体で感じていく様子がとても生き生きと描写されて、引き込まれます。
恋することでいろんな経験を積んでいくことって、大切だよね!

さらに、各話ごとに挿入されたエピソードと、それにまつわる印象的なモノローグがこれまた素晴らしく、恋する引田の気持ちが、ストレートに伝わってきました。

京山さんたら、ポエマ~

そして、今井は引田を心から大切に思ってるんだな~、というのが言葉や態度の端々に表れていてホントに微笑ましいのです。
さりげなくおでこにちゅっとしたり、愛おしそうにほっぺをすりすりしたり、もちろんHの時も決して強引にしようとはしません。

「この人、ホントに引田をかわいいと思ってんのね~」と、心なごみます。
(ま、京山さんらしく、やってることはけっこう生生しいですけどね!ある意味リアルだし!爆)

だけど、ただそれだけで終わらないのが京山作品の良さ。

今作の見どころは、高校生が抱える「漠然とした将来への不安と焦り」、が恋に絡めて非常に上手く描かれているところでしょう。

夏の大会予選を経て野球部を引退した今井の進路も決まり、いやおうなく距離の広がっていく二人。
そして、3年生となる引田も自分の将来をいろいろと考える時期になります。

ぼんやりと、なんとなくしか思い描けない自分の未来予想図。

太陽が昇ると見えなくなる星ぼしだけど、実はいつも変わらずに寄り添っている。
そんな風に「ずっとこの人の近くにいたい。」

互いにそう感じているだろう夜明けの海辺のシーンが、とても印象的でした。


それにしても自分、自他共に認める(?)クールビューティ好きなはずなのに、今回引田をはじめて「かわいいヤツめ。」と思ってしまった…!!
これは新たなる発見でした。笑

あとがきを拝見して、京山さんがどれだけこの二人の物語に力が入っているのかを実感したのですが、「もう…初々しい時間は…もどらないようで・・・。悔い。」とあるのが、心に突き刺さった!!
まさにそうなんですよね~。あああああぁぁぁぁ~~。

だけど、またさらに成長した二人の続編があるようで、「次の大学生…というのもいやらしい気がします」という一文に期待が高まります!笑

引田にはもっと深く恋にもだえ悩みながら、大人への階段をのぼっていって欲しいと願い、次作に期待したいです♪

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