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西田東「天使のうた 2」(新書館/ディアプラスコミックス)

続きがすご~く気になっていた「天使のうた」の完結編。
西田東さんの新刊、『天使のうた 2』(新書館/ディアプラスコミックス)を読みました♪

天使のうた2
父親が死んだ36歳を迎え「破滅の年齢」だと言ったクリス。息子・アレックスが暴漢に襲われた夜、見舞いに訪れた彼はアレックスに暴行しようとし、その後失踪。次第に彼を蝕む狂気。寒空の下、震えるクリスを見つけたミシェルは、思わず彼を抱きしめ、激しく求める――!! 傷ついた男たちのシンフォニー、ついに感動のフィナーレ!!

■初出■
天使のうた…Dear+2007年8,10~12月号 2008年1,2月号
天使の描いた絵…Dear+2007年4月号

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その作品を「BL=ボーイズラブ」ではなく、「ML=メンズラブ」と称されることが当たり前の西田さん。

この作品を読んで、あまり一般的ではないこちらの呼称(つまり「ML」)の方が、やっぱりしっくりくるのかもな~、と改めて思ってしまいました。

西田さんの描く男性は、年齢そのままのがっしりした躯体を持って、重量感があります。
その風貌に刻まれた人生をそれぞれに背負い、ゆるぎない「存在感」さえ発散しています。

絵柄から西田作品を不得手とされている方は、本当にもったいないことをしていると思いますよ。

今回も熱く、重く、深い作品でした。

BLという枠を超えて、大人のドラマチックな「ヒューマンラブ=人間愛」の物語が読みたい方に是非おすすめしたい作品です。


【2巻あらすじ】(1巻の感想はこちら

人生はクソなのに ―――なぜ生きる?


最愛の妻子を事故で失った小児科医のミシェル(ミハエル)は、生きる目的を見失い絶望のうちに毎日を送っていたが、奔放に振舞い、息子・アレックスに辛く当たる性格破綻者でありながら、類まれな美貌を持ち、新進の指揮者として評価の高いクリスに再会して、次第に心惹かれていくようになる。
実の父親から受けた己の凄惨な虐待の記憶から息子を素直に愛せずに、次第に狂気に陥っていくクリスと、どんな形であれ父親の愛を欲してやまないアレックス。そして、二人の間に立ち、アレックスに亡き息子へ対するような感情を抱きながら、クリスの本意が掴めずに戸惑うミシェル。
アレックスが暴漢に襲われたことが引き金となり理性を失ったクリスは、アレックスを暴行しようとしたが、ミシェルに発見されて未遂に終わる。
だが直後、自殺をほのめかしたまま二人の前から失踪してしまうクリス。
クリスを失うことになったら「もう2度と立ち直れない」と自覚したミシェルは、必死でクリスを捜索するが…。

* * *

1巻では触れられなかったクリスの過去が露わになって、急転怒涛の展開のうちに物語の終幕までが一気に描かれます。

全2巻の作品なのに、すごく長い物語を読んだ気になりました。
ふ~。

人間の弱さを、飾ることなく描き出す西田さん。
この作品でも、妻子を失ったミシェルの苦しみ、愛する父に理解されない、愛されないともがくアレックスの苦しみ、そして過去の体験により自分自身さえ信用できずにいるクリスの苦しみを、余すところ無く描いて、物語に深みが増しました。

この作品のキモは、その生い立ちゆえエキセントリックな性格ながら音楽家としての才能に満ち、人心を掌握する華やかな魅力にあふれたクリスと、ミシェルの朴訥とした温かい人間性。そして、まさに天使のような純真さを具え持ったアレックスら、登場人物の生き生きとした魅力に他ならないでしょう。

そんな3人が、ともに絶望しながらも、どこかに救いを求めて必死に生きている。
それぞれに愛すべき、悲しく、やさしい人たちです。

西田さんはこういう「人間くささ」を描かせると、本当に上手い作家さん。
今回も「う~む、参った!」というのが、正直な感想です。

愛する妻を失った悲しみを共有し、本来ならここで友情に発展すべき感情を、互いへの愛情に置き換えてしまう手腕が素晴らしい。
しかも、それがすごくナチュラルで、説得力がある。

練りに練ったであろうプロットを、無理なくさらっと描き出すのは、やっぱり作画の魅力のおかげかな~と思いましたが。

絵もどんどん上手くなっていて、クリスの持つ絶世の美貌も充分に描き出し、かつアレックスのような美少年が描けるんだ!!と、正直びっくり。笑

また、オヤジを描かせれば天下一品の西田さんらしく、ミシェルの無精髭には人生の悲哀がこれ以上無く滲み出ていて、だからこそ、それをクリスが剃り落とすエピソードがたいへん効果的でよかったです。(1、2巻ともに。)

「美しい毒蛇」からアレックスを守るために、幼いわが子を蹴り飛ばしたクリス。
でも、その行為の奥には深い情愛が潜んでいたことをアレックスは敏感に感じとっていたのでしょう。
だからこそ、たとえ関心を抱かれなくとも、父親に対してずっと深い愛情を捜し求めて来た。

愛に迷っていたクリスとアレックスの父子にとって、ミシェルは大天使ミカエル(ミハエルが独語読み、ミシェルは仏語読み)の名前そのままに、天から使わされた者だったんでしょうね。

人生はたとえどんな辛いことがあったとしても、生きる価値のあるもの。
そんなメッセージを感じさせる作品でした。


さて。

1巻よりも2巻と、シリアスさがどんどん増してきて、味わい深いギャグも影をひそめつつあった今作ですが、どうしても残念なことがあります。
それは…

とうとう「あとがき」が無くなった…!!涙

1巻にはあった「あとがき」が、ついに2巻では姿を消しました。
このところ他社さんの作品でも消えつつあるのですが、西田さんの描く「あとがき」を楽しみにしている読者はとっても多いと思いますよ~。

例えどんな「あとがき」であろうと(?)、作品の素晴らしさには変わりが無いんですから、今後一切なくすような無粋なマネはおやめ頂きたいです。
ホントに・・・。

さて、こちら「天使のうた2」発売記念でサイン会がある関西の皆さま、心よりうらやましいです!
西田東さん、ぜひ一度お顔を拝見してみたいわぁ。
東京でもいつかぜひ開催して下さい!

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