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依田沙江美「愛の深さは膝くらい」(芳文社/花音コミックス)

う~~ん。
なんだか近頃、萌え枯れしてるなぁ。

そんな私を叱咤激励するように、依田さんの新刊が発売日当日に手に入りました~♪
しかも、5冊も在庫があるという非常に珍しい現象が。

BLの品揃えがお粗末過ぎて、私的にはこれまでぜんぜん使えない書店だったのに、いつ心を入れ換えたのか、隣市K駅ビルの紀伊●屋書店コミック売場よ。
担当者の方、これからもよろしくお願いします。

ということで、依田沙江美さんの「愛の深さは膝くらい」(芳文社/花音コミックス)を読みました!

愛の深さは膝くらい (花音コミックス)
代用教員として教師になった神主の息子・石倉先生は、書道部1年の坂下昴(さかした・すばる)から覚えの無い怒りを買っていた。どうやら石倉先生のテキトーな女性(&男性)遍歴を知っていて許せないでいるらしい。「デレデレすんな!エロくなんな!」なんて突っかかってくるけど、ある意味純粋な昴が可愛く見えてきて…!? 
教師×小悪魔高校生のツンデレ★ラブストーリー!

■初出一覧■
愛の深さは膝くらい【第1話】 2007年花音2月号
愛の深さは膝くらい【第2話】 2007年花音4月号
愛の深さは膝くらい【第3話】 2007年花音6月号
愛の深さは膝くらい【第4話】 2007年花音8月号
愛の深さは膝くらい【第5話】 2007年花音10月号
愛の深さは膝くらい【第6話】 2007年花音12月号
愛の深さは膝くらい【第7話】 2008年花音2月号
愛の天気は晴れ時々嵐   描き下ろし

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昴って、小悪魔・・・か?

読了後、ちょっと首をかしげたくなりましたが、石倉先生を翻弄しているのは確かなので、まあ、ある意味ではこの表現も間違ってはいないのかも、と無理に納得してみたり。

ここでも相変わらずの『依田ワールド』が展開しています。

教師と高校生モノと言っても、先生は代用教員!(&『神社』の息子)
そして部活は書道部!!
う~~ん、渋すぎ!!

普段あまり聞くことの無い「書道用語」も飛び出して、それはそれで新鮮でよかったですが。笑

年の差12歳のカップルが繰り広げる学園ラブコメ(?)。
大人の目線から見た高校生の初々しさに、思わずにんまりしてしまいました。


このところ、すっかり高校生モノスキーになっている私ですが、ちょっと前までは「ボーイズラブっつっても、やっぱ恋愛の醍醐味を堪能出来るのはリーマンものだよ、リーマンもの」とのたまっておりました。
それが石原理さんの「あふれそうなプール文庫版」(全3巻)(感想はこちら)を読んでからこっち、すっかり高校生にかぶれてしまって~。えへへ。

と、それはともかく。
依田沙江美さんです。

三浦しをんさんの「シュミじゃないんだ」(感想はこちら)で知って以来、その独特の作風が気になって、とりあえずこれまで発表された全作品(商業誌)を制覇してみました。
中には「何これ!?」と思うようなとんでもキャラやシチュエーションもあったりするのですが、ともかく一読する価値のある作家さんかと思います。

日常での会話ややり取りを、これでもかと丹念に描き込む細やかな描写。
可愛い絵柄でありながら、実は意外とあくの強いキャラクター造形。
日常ではあまり馴染みの無い、ちょっとひねった言葉使い。
さりげなくも印象的な、モノローグの数々…。

これらがいずれの作品にも共通する『依田ワールド』の基本かと。

特に、人の心情をものすごく丁寧に追って丹念に丹念に描きこんでいくので、読んでいるこちらが、いつのまにかその心理を追体験させられてしまうという不思議なパワーがあるのです。

この作品では28歳の代用教員で書道部顧問の石倉と、16歳の眼鏡男子・坂下昴(さかした・すばる)が、はじめは牽制しながら、でも徐々に互いの距離をつめていく様子が描かれます。

依田さんならではの巧みな心理描写が秀逸で、昴の人物描写には、「子供」と「大人」のちょうど狭間にいる「16歳の男の子」って実際はまだまだこんな風なんだろうな~、って妙に納得させられてしまう。

そういえば、新聞を面白いって感じたのはいつからだった?
ブラックコーヒーをおいしいと感じるようになったのはいつからだった?

昴とのささいなやり取りから、
「そうか 俺がもう子どもじゃないんだ」
と、石倉が自覚するくだりは、さすがです。

年齢よりもちょっと子供っぽく感じる昴ですが、それはきっとご両親に大切に育てられてるからなのね、と感じさせる伏線も上手い。

そして、さすがにもうそんな心理からはものすご―――― く遠いところに来てしまった自覚はあるので、当然石倉先生寄りで見てしまうわけですが、一回りも年下の相手を恋愛対象として見ると言うのは…
やっぱり犯罪?笑

この子の汗はどんな味がするだろう


快楽のシナプスがまだどこにもつながってないなんて


俺が今 踏みこもうとしてるのは 本当にまっさらの 新雪なんだ


このあたりの台詞に、若気の至りで散々遊んだ過去を持つ石倉らしさが滲んでいて、思わずニヤリ。

でも、だからこそ一時の快楽に流されずに、昴とのこれからの関係を「きちんと」築いていこうとする石倉の決心に、心底ほっとさせられました。


ああ、なんか、この作品のおかげで、今さらながらハラセン(中村明日美子さん「同級生」より(感想はこちら))の心理が納得出来てしまった。
あの作品を読んだ時は、なんと図々しくもすっかり“草壁”寄りだったんですよね~。
ぬぬ~ん…。

ところで。

第5話「扉絵」に、神社の道場に剣道を習いに来ていた小学生(推定小4・10才)の昴と、爛れた大学生活真っ只中の石倉(推定大4・22才)がすれ違うシーンが描かれていますが、これを見て、「うわわわわわわ」と焦ってしまいました。
小学生と大学生じゃあ「なし」だけど、高校生と教師なら「あり」なのか。苦笑
そう思うと、子供ってあっと言う間に大きくなるんだな~、なんて今さら母っぽいことを思う自分に驚いちゃいましたが。汗

12歳の年の差を埋めるのに、あとどれ位かかるのか。
出来ればこの二人の5年後も見てみたいと思わせる作品。
続編もあるようなので、続きを楽しみに待ちたいと思います。

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