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桑原水菜「炎の蜃気楼」9巻(集英社/コバルト文庫)

「ミラージュ」以外にも、まぁ、読んでいるもの(もちろんBLコミック)はあるのですが、とりあえず今日はこちらの感想をあげておこうと思います。

桑原水菜さんの「炎の蜃気楼(ミラージュ)」9巻『みなぎわの反逆者』(集英社/コバルト文庫)を読みました!

炎の蜃気楼(ミラージュ)〈9〉みなぎわの反逆者 (コバルト文庫)
大阪の製菓会社社長・狭間の前に姿を現すという「お姫様の霊」を探るために、秘書兼ボディ・ガードとして会社勤めを始めた直江。高耶と綾子も、怨将・荒木村重を追って、京都に来ていた。一向宗は荒木一族の怨念を封じ込めた「遺髪曼陀羅」を使って強力な「荒木大砲」を作ろうとしているのだ。ついに村重を見つけ出した高耶たちだが、村重は綾子の二百年前の恋人・慎太郎そっくりだった。
(1993年3月10日第1刷発行)

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高耶のよき理解者であり、かつ“上杉夜叉衆”の中ではこの人が一番まともで常識のある人なんじゃないかと思うのですが、どうでしょう?

この「みなぎわの反逆者」では、いよいよ門脇綾子こと柿崎晴家の200年前の恋物語が語られます。

だけど、あれれ??
勝手に妄想していた内容とは…全然違ってた~!!
しょぼーん。

されど、直江の「社長秘書」姿のみならず、「狂犬」ぶりまでもが堪能出来る実に美味しい1冊♪
まさに第一部のキモですよ。

さぁあなたも、直江の掟破りの言葉責めに度肝を抜かれて下さい!!




【「炎の蜃気楼」9―みなぎわの反逆者】(1~8巻までの感想はこちら

日光での事件以降、高耶は高耶なりの苦悩を抱えたまま、怨将狩りに明け暮れ、直江とは仕事以外ではまったく接触しないようになっていた。
そんな時に、怨将・荒木村重を追って京都入りする高耶と綾子。高耶が景虎としての記憶を意識して取り戻しつつあることもあり、綾子に対してもかなり高慢で示威的な態度を取るようになる。直江とのことを心配する綾子の言葉にも、高耶はまったく聞く耳を持とうとしなくなっていた。
村重を追ううちに、荒木一族の怨念を封じ込めた「遺髪曼荼羅」に行き当たる綾子と高耶。そこで出会った荒木村重の現世の姿が、200年間捜し求めいていたかつての恋人・慎太郎そのままで、激しく動揺する綾子。一方「遺髪曼荼羅」を追う高耶は、その持ち主である大阪の製菓会社社長・狭間の社長秘書として突然現れた直江を見て、嫉妬のために思わず逆上するが…。

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最近気づいたこと。

景虎と直江の心情ばかりが気になってしまうので、肝心?の闇戦国の勢力分布が全然頭に入っていない。

ま、今さらなんですが。汗


晴家が、200年前から女性の姿に換生し続けてきたのは、かつて死に別れた恋人と来世での再会を誓ったからなのですが、その恋物語がどんなものだったのか、これまで勝手に妄想を展開して来た私です。
では、恥ずかしながらそのあらすじをご紹介しましょう。

妄想劇場「(仮)月読の光―晴家の恋編」

200年前の江戸。侍として生きながら闇戦国の怨将たちと対峙する日々を送る晴家は、戦いの最中に深い手傷を負い、通りがかりの浪人に命を救われる。傷が癒えるまで親身に世話を焼いてくれる浪人に対し、いつか憧れにも似た気持ちを抱く晴家。だが、浪人は御家再興のために、主君のために命を掛けて散っていくことを決意していた。(都合よく中略)だが、その悲願敵わず処刑が決まった前夜、生まれ変わることが出来るのならば、来世ではきっとお前と結ばれようと、固い約束を交わす二人。その後晴家は、約束を守るため、女性の姿に換生し続けることを決意して…。

みたいな。
全然ちがうっちゃあ違うけど、(ほんの)一部当たってるところもありましたね。
まあ、率直に言えば「男性同士のラブであって欲しかった!!」
と、ただそれだけだったんですが。笑

だから、晴家が当初から女性だったっていうのはなんか拍子抜けでした~。
いえ、もちろんお医者様の慎太郎との恋物語は、それはそれでとても心に染みました。←ほんとに
でも、晴家が流しの三味線弾きだったという設定が、あまりにハマリ過ぎてうけた!!笑

今や女性としての言動がすっかり当たり前の晴家。
高耶にとっては、あれこれ心配してしてくれたり、世話を焼いてくれたりの、頼りになる姉御って感じです。
そして、そのことを普通に認めている千秋と直江って…。
男性だった頃の晴家を知る彼らにも、もうすっかり女性として認識されているのっては、それはそれでどうなのよ!?
女性化して200年もたつと、違和感さえなくなるのでしょうかね。
けっこう謎です。

それはともかく。

桑原さんはこの荒木村重という武将が気に入っていらして、かなり熱を入れてお書きになったようなんですが(桑原水菜著『「炎の蜃気楼(ミラージュ)」紀行―トラベル・エッセイ・コレクション 』(コバルト文庫)参照)、いや~、何と言ってもここでの注目は第五章「タイガース・アイ」に限ります!!

精神的に追いつめられた直江がついに狂犬と化して一気に暴走

なもんで、ある意味他のどんなシーンも霞んでしまいます…。
例えそれが、晴家(綾子)の200年にわたる切ない恋物語でさえも。汗

無断で他の人間に仕えていた直江に対し、嫉妬とも言える憤りを抱いて、ホテルの駐車場で待ち伏せる高耶。
そんな高耶に「器の無いリーダーに、従う部下はかわいそうですね」とうそぶく直江。

逆上して掴み掛かる高耶の動きを力づくで封じ込むと、「その高慢な口を、封じてあげる」、「あなたと、やりたいんですよ」、さらには無理やりホテルの部屋に連れ込んで「…大人の本気を教えてあげる」、「あなたを抱き殺してやる……。」と、名台詞を連発!!
実に20ページ以上に渡ってのXXシーンを展開します。←数えてみた

いや~、それにしても直江ってば、とんでもない「言葉責め」な人だったんですね…。
これまでも、臆面も無く恥しい台詞を口にするお方だとは思っていましたが。

あまりBL小説は読まないのですが、これまで読んできた数々のBLコミックスでも聞いたことのない攻め言葉が飛び出してくるので、二人にとってはすごく深刻で真剣なシーンのはずなのに、何箇所かで思わず吹き出してしまいました。

特に「ほら、あなたの坊やは言ってますよ。“お●もに出たい”って」と、「・・・あなたのサイズは・・・指で●がすのにちょうどいい・・・。でも右のXXは・・・ほんのすこし・・・XXXですね・・・・」(※XXは原文そのままです)には、「どええええええ~~~~~ッ!?なにその攻め方!?」と、読んでるこっちが赤面!!

積年の想いの丈をぶつけられ、理性もふっ飛んだ直江の狂うような愛撫に翻弄される高耶。
「あ……悪魔……っ」、「変態野郎!」と、必死の抵抗を試みますが、体格差のある直江には所詮力では敵いません。
そんな緊迫感あふれる喰うか、喰われるかの攻防の最中、今度は高耶からきわめつけのひと言!が飛び出します。それが…

「こ……の、駄犬野郎!」 ぶはー!!!爆笑

ああ~、桑原さん、すみません。汗
決して笑うつもりなんかなくて、真剣に読んではいるんですが、これはあまりにどツボにハマってしまったんです~。滝汗

結局、景虎が味わった忌まわしい陵辱の記憶が突然甦り、正気を失った高耶の錯乱振りに驚いた直江が思いとどまって、この場では未遂!に終わります。

が、このくだりは直江が永年心に抱えて来た情念が、次から次へと思うにまかせて綴られていくので、読んでいてとっても消耗してしまいました…。

こうなってくると、もう「直江=悩み多き男」のひと言ではすませられません。
景虎に対する、「愛」と「憎」。
まさに表裏一体のこの感情は、メビウスの帯の表裏のように、どこまで辿っても決して交わることがないのですから。

この無限に続くぐーるぐるを断ち切る方法は、やはり次巻以降に描かれる、ああいう方法しかなかったのか、と、読み返してみてこの伏線の大きさに気がつきました。

そして、最後は綾子が断腸の思いで下した決断により、荒木村重の魂も調伏されます。
ラストシーンで、涙する綾子の肩を何も言わずに抱いて、慰める高耶。
その行為に高耶自身の優しさが滲み出ていて、とても印象的です。

ああ~、それにしても、いろんな意味で直江、目が離せませんッ!!

そして、直江に女王様扱いされている高耶ですが、いまのところはなされるがまま…。
早く成長して、見事直江の前に立ちはだかって欲しいものです。
でも、それは一体何巻くらいの出来事なんだろう…。
ラストは、果てしなく遠い。

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