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清水玲子「秘密―トップ・シークレット― 4」(白泉社/ジェッツコミックス)

2008年4月より日本テレビ系列(一部地域のぞく)でアニメが放送予定!!
さらにちょうど先日、この表紙の原画を見てきたところ…。(「メロディ原画展」の記事はこちら

ということで、清水玲子さんの「秘密―トップ・シークレット― 4」(白泉社/ジェッツコミックス)を読みました!

秘密(トップ・シークレット) 4 (4) (ジェッツコミックス)
私鉄沿線で起きた連続殺人事件。薪と青木をはじめとする、おなじみ第九のメンバーが事件に挑むが、「恐怖のウィルス」の存在が明らかに…。被害の拡大を防ぐことは出来るのか!?

■初出■
秘密―トップ・シークレット―2007/メロディ2007年4.6.8.10月号
秘密―トップ・シークレット―2007特別編/メロディ2007年12月号
上記掲載分を加筆・修正いたしました


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これまでの3巻分(感想はこちら)は、いずれも猟奇的な殺人を描いた作品でしたが、今作は違います。(したがって、「美しい死体」も登場しません。)

でも、個人的な怨恨をもとにある特定の人物を狙った猟奇的な殺人よりも、ある意味こちらの方がもっと現実的で恐ろしい「事件」と言えるかもしれません。

これまでの作品から言っても、出産を経験した清水玲子さんが今回「こういう」テーマを選んだことに、すんなり納得出来ました。

現代社会に巣食う病巣は、人為的に作られた「殺人ウイルス」よりも、もっと深く、広く、人間を腐らせていくのかもしれません。

そして、今作ではなんと青木が…!

さらに、あれ??
薪さん…!?
薪さんがぁぁああああああ・・・!!!???

と、興奮のあまり多分にネタバレしてますので、ご注意下さい。

【秘密―トップ・シークレット―2007】

ある私鉄沿線で連続殺人が起こる。その被害者らは過日、薬剤師 里中恭子が刺殺された現場に居合わせた沿線の乗客だった。警視正 薪剛(まき・つよし)率いる「科学警察研究所法医第九研究室(第九)」のMRI捜査に提供された被害者の女子高生の脳から、3人の容疑者が割り出されるが、決め手がない。そんな中、MRIの画像から、被害者が一様に自分の指先を気にしていたことに気が付く青木。そして数日後、原因不明の伝染性感染症で容疑者の一人が死亡したという知らせが入る。同様の症状が、検死にあたった監察医 三好雪子(みよし・ゆきこ)の爪先にもあらわれていることに気付いた青木は、あることを決意する…。

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子供がいると、時折、今の世の中というものに大変悲観的になるものです。
環境破壊による温暖化や、連日起こる凶悪犯罪、食の安全の崩壊、一家心中…。
耳に入るニュースはどれもこれも気が滅入る内容ばかり。
ママ友達と、「この子達、こんな世の中に生まれてきちゃって可哀相だよね~」なんて言い合ったりしたくなる気持ちも、おわかりでしょう?

清水玲子さんも、お子さんが産まれてから改めて身の回りを見つめ直してみて、そんなお気持ちになったではないでしょうか。
あくまで想像ですけど…。

冒頭、青木の姪っ子の「舞ちゃん」が登場します。
生まれたてのほやっほや!
叔父バカ丸出しの青木の台詞がこう続きます。

全く無防備(中略)
何をしても 何としてでも この子を守らなきゃ
大人であるオレ達が この子が安心して暮らせるよう 
犯罪のない社会を 作ってあげなきゃって



ほんとうに、それは親として、血縁としての実感です。
でも、どんなに親が気をつけようとも巻き込まれてしまう事件があったとしたら…。
例えばそれが通学電車の中で。
善意で注意を促した人が、逆に不条理な暴力を振るわれて、命を落としてしまうとしたら?

かつては、「いけないことをしているのを見たら注意する」というのが当然の道徳でした。
でも、果たして「現代」でその美徳が通用するのか?


通勤電車の中で毎朝老女に席を譲り、混雑した車内で荷物を座席に置くことを注意した一人の女性が、狂刃に命を奪われてしまいます。

そして、その「事件」が引き金になって、「殺人ウイルス」による無差別の「バイオテロ」が起こってしまったとしたら…。

犯人の動機の背景にある、日本という国で感じていた「孤独」や「いたたまれなさ」などには、同情すべき相手ではないのですが、なんとも考えさせられてしまいます。

確かに現代日本でなら、起こりかねない事件かもしれません。

でも、「世の中、まだまだ捨てたものじゃない」と、思って笑顔で暮らして行きたい。
そして、そうするためには、一体何が必要なのか?
「秘密 2007」は、そんな問いかけを我々にしている作品なのだと思いました。



【秘密―トップ・シークレット―2007特別編】

死んだ人の「脳」を 死んだ人の「秘密」を見てきた
「犯罪捜査」という名目で 何の断りもなく 白日の下に晒し続けてきた(中略)
その自分だけが 死後も「秘密」を守り通す そんな勝手が許されるのだろうか


「第九」を率いる薪剛警視正の私生活と、心に抱えた「秘密」が明かされます。
中性的な顔立ちで年齢不詳の容姿を持ち(私的推論によれば30代前半かと…)、常に理知的でクールな薪さんの素顔が垣間見られる短編です。

っていうか、これ、私的にもの凄い衝撃作でした!!
ある意味、本編を超えてます。

どえええええ~~~~~~ッ!?
マジで!?
何で!?
どうして!?

みたいな…。
久しぶりに漫画を読んでページを繰る手が、震えちゃいましたもん。

だって、「それだけは絶対ない!!」と思っていた展開だったので…。

いや、1巻から実にそれっぽいシーンはあったんですけどね。あくまで、それは鈴木さんに似ているから、だと…。

それがなんで青木!?
地味男の青木なんですか!?

いや、もちろん青木は好きですよ。
私の愛するジャック(注:“ジャックとエレナシリーズ”の長身黒髪黒眼鏡で気は優しくて力持ち(?)の旧型ロボット、セクスレスのロボットで、相棒かつ永遠の伴侶であるエレナの尻に、がっちり敷かれちゃってるジャックのこと)に1番似ているんですもん。
というか、青木の造形は清水さんお得意の「スター・システム」(出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)だと思っているのですが…。

だから、気の強い女に弱いとわかっていたので、三好先生の登場には「あ~、こりゃあ落ちる(恋に)」と瞬時に思いました。というか、青木と初めて目が合った瞬間の雪子さんのどアップが青木的一目惚れショットでしょう。笑

「秘密 2007」で、青木と三好先生の急接近に誰よりも早く薪さんが気付いていた、というくだりがありますが、てっきり薪さんが意識してるのは三好先生の方なのかと…。汗

薪さんが鈴木さんをとても大切に思っていたことは周知の事実なので、これは鈴木さんの元カノである三好先生に対して何らかの感情を抱いているんだ、と思ってしまったんですよね~。

あああ~~、だけどなんでこんな展開に!?

というか、かつては十分ありえると踏んでいたのに、今さらこんなに動揺している自分にびっくり。
それは、あまりにベタ過ぎる展開だからなのでしょうか!?

あ、そっか。
青木と三好先生がこのまま順調に行ってしまいそうなので、薪さんの今後が気になるからなのかも。

薪さんに安眠を与えられる人間は青木1人だと思うのですが(間違っても岡部ではあるまい。笑)、プライベートでの無茶はあまりなさらないようにして頂きたいです。

そして、この伏線が今後の「秘密」にどう生かされて行くのか、期待しつつ見守りたいと思います。

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