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三浦しをん『むかしのはなし』(幻冬舎)

三浦しをんさんの『むかしのはなし』(幻冬舎)を読みました。
2005年2月発行。原稿用紙340枚の書下ろし小説です。


日本人になら誰にもお馴染みの「むかし話」。
それを元に紡ぎだされる7つの物語。

むかしのはなし
むかしのはなし
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三浦 しをん
幻冬舎 (2005/02/25)
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『日本昔話』が、この本の中でどう語り変えられたのか、お楽しみいただけたら嬉しい。(巻末「あとがき」より)


 
それぞれの人物の日常を切り取った小説なのかと思わせておいて、「これってSF!?」と思わせる意外な設定。
予備知識なくこの作品を読み出して、途中きっと戸惑う読者も多かったと思います。
でも、読み進めるうちにその設定があるからこその人物たちが生きてきます。
そしてやはり自分が「その」立場に置かれたらどうするだろうと考えたり。

「むかし話」と、しをんさんの静かな語り口が印象に残る小説です。



三浦しをんさんの小説を読むのは、2000年4月刊のデビュー作「格闘するものに○」(草思社)、直木賞を受賞した2006年3月刊の「まほろ駅前多田便利軒」(文藝春秋)に続いて3冊目。

私はしをんさんが書くエッセイも大好きなんですが、小説の文体も読んでいてとても心地よい作家さんです。
性に合っているのかしらん。
でも、エッセイと小説では「同じ人が書いていると思えない」という声もチラホラ。でもそれは「物書き」を生業としているのですから、当たり前なのでは!?と思うのですが、どうでしょう??


「むかしのはなし」の時代設定は現代。
だけど、三ヶ月後には地球に隕石が衝突するという事実がニュースで発表される。
脱出ロケットには選び抜かれた、または当選した1000万人までしか搭乗が許されない…。

途中「隕石って何!?」とちょっと戸惑いましたが、読み進めるうちにそれはこのお話には必要な設定なんだと理解できてしっくりきました。
7つのお話の中で好きなのは「ロケットの思い出」「ディスタンス」「たどりつくまで」「懐かしき川べりの町の物語せよ」の4つ。

しをんさんが漫画が大好きということを知って読んでいるからかもしれませんが、「漫画世代の作家さん」が書く小説というか、読んでいて画面がとっても想像しやすいです。人物描写も細かいので、「きっとこんな感じの人」って頭に思い浮かべやすい。
読みながら、私の頭の中ではアニメーションのように絵柄が動いてお話が進んでいきます。

皆さんもきっと本を読むときはそうされてると思うのですが、しをんさんの小説って特に状況が想像し易いですよね??

「ロケットの思い出」では草間さかえさんの絵柄。
「ディスタンス」では小野塚カホリさんの絵柄。
「たどりつくまで」は水城せとなさんの絵柄。
「川べりの~」は西炯子さんの(昔の)絵柄で。

勝手に脳内変換して楽しみました!
見事にバラバラで節操がない上に、皆さんBL作家さんなのですが…。汗


地球はもうすぐ無くなってしまうけど、残される私達にはどうすることも出来ない。
それでも変わらずに日常はすぎてゆき、人間のドラマは紡がれる。
そして地球という星で語られた「むかしのはなし」を、今度は誰かがカプセルの中で語り継いでいく。

「過去」と「未来」。
「地球」と「宇宙」。

日々の暮らしがそんなものともきちんと繋がっている。
そう思えるお話です。

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幻冬舎略称 = 国籍 = 郵便番号 = 151-0051本社所在地 =東京都渋谷区千駄ヶ谷四丁目9番7号電話番号 = 総務部 03-5411-6220設立 = 1993年11月12日業種 = 5250統一金融機関コード = SWIFTコード = 事業内容 = 書籍の出版代表者 = 代表取締役社長 見

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