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石原理『羊たちの番人』全2巻(Dariaコミックス/フロンティアワークス)

続刊を待ちに待ったこの作品が、足掛け8年に渡る歳月を経て、いよいよクライマックスを迎えました。
1年に1本の掲載が長年かかって作品にまとまったこのシリーズ。
特に1巻は、これだけでも実に6年の歳月かかっていることもあり、絵柄がマイナーチェンジしていたり・・・。

それが石原理さんの『羊たちの番人』全2巻(Dariaコミックス/フロンティアワークス)です~!

羊たちの番人 (Dariaコミックス)
16才の時に人を刺した過去を持つ矢内。 亡き父の後を継いで牧師になった彼は主の教えに背いてばかりいた。 そんな時、矢内の元へ湯名が現れた。 身分を偽り矢内に近づいた湯名は、矢内の罪を悔いる心に触れ、再び伝導者になる事をすすめる…。
大人気牧師シリーズ、待望のコミックス化!!

■1巻 初出■
羊たちの番人…Daria vol.7(’99 8月号)
羊たちの番人2…Daria vol.11(’00 8月号)
羊たちの番人3…Daria vol.18(’02 5月号)
羊たちの番人4…Daria2003WINTER(’04 2月号)
羊たちの番人5…Daria2004AUTUMN(’04 11月号)
羊たちの番人6…Daria2004WINTER(’05 2月号)
掲載分に大幅加筆・修正  
あとがき…描き下ろし


羊たちの番人2
神の教えに背いてばかりの牧師・矢内と、同じく牧師の湯名は、教会で勤めに励む日々を送っていた。 相変わらず矢内に振り回される湯名だが、矢内を取り巻く人間関係や広い世界を知り、自分を省みて、ある決意をする――。 少しずつ互いの距離を縮める二人の前に『奇跡をおこす男』と呼ばれる陽光が現れて…!? 
大人気・牧師シリーズがついに完結!! 描き下ろしマンガも収録。

■2巻 初出■
羊たちの番人7…Daria 2006 8月号
羊たちの番人8…Daria 2006 10月号
羊たちの番人9…Daria 2007 4月号
羊たちの番人10…Daria 2007 6月号
羊たちの番人11…Daria 2007 10月号
密日…描き下ろし 
あとがき…描き下ろし

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石原理さんの描く「黒い攻め」と「白い受け」が好きです。
この場合の黒と白は単純に作画の“髪の色”だけではなくて、そのキャラのもつ精神性も表現しているような気がしてなりませんが、どうでしょう?

そんな「黒い堕落した精神の持ち主」である矢内牧師と、まったく正反対の「潔白な精神の持ち主」である湯名牧師の教会内ラブアフェア、なBLなのですが、元来気が小さい私は、こういう背徳感に満ちた舞台設定って、それだけで心拍数が上昇してしまいます~。ドキドキ。汗

「ああ、神よ許し給え…」
と、つぶやきつつも、しっかり読むとこは読みますが。笑

少しずつ互いの距離を縮めていく2人の関係が、読んでいてとても心地いい。
擦り寄ることで互いを開放していく、そんなお話です!



一見ドライでクールでありながらも、魂に熱いものを抱えた男たちが、時にハードに、時に軽妙に絡み合いながら物語が展開していくのが石原作品の持ち味。

そして、初っ端からガンガンにゴリ押しで来るアクの強い攻めのキャラ。
それに対し、美しく頼りなげな風貌ながらも芯の一本通った受けが、その攻めをしなやかに受け止めて相対していく様が面白い。

この『羊たちの番人』シリーズの主役である奔放極道牧師・矢内と清廉潔白牧師・湯名も、まさにそんな関係です。


特に、天然ゆえなのか、真面目すぎるゆえなのか、聖職一筋で時に残酷なほどお固い湯名がいい

「ハンカチ落とし」を、「こっそりハンカチを落として人を欺くあの遊戯ですか」と表現した発言には、A・ビアスの『悪魔の辞典』を思い起こさせましたよ!!笑

彼に掛かると、百戦錬磨の矢内でさえも、なかなか太刀打ちできません。
湯名の手のひらで、いいように転がされちゃうんですよね~。
その様子にニヤリとしたり。

しかも、湯名はただ真面目でお固いだけじゃなくて、さまざまな引き出しをもっているところがまた魅力的。
こういうキャラを作るのが、石原さんは本当に上手だな~、と惚れ惚れするのです。

以下重要ポイントなので、反転。 

特に、矢内に対する自分の気持ちを受入れてからの湯名の可愛さは絶品!
一度心を解放した相手には、とても大胆で積極的なのもよし!
天然キャラの強みですね。笑

クールに思わせておいて、その実内面の熱い男、というのは石原キャラの真骨頂。
嫉妬に狂った矢内に、教会で蹂躙された後の湯名のひと言、本当にエロくて…!
も~、これは矢内でなくともズッキュンキます!

これぞ、可愛いだけで終わらない、したたかな大人の恋愛の醍醐味です。
 


そして、忘れてならないのは浅間山さんや教会の信徒のご夫人方などの年配の愛すべきキャラたち。
さらに、矢内の友人たちのどんちゃん騒ぎのわらわら感が…!!
あいっかわらずいい味出してます~。
なごむ~~。笑

1巻では脇役ながらも存在感ばっちりの椎名陽光の再登場で、2巻では怒涛の展開に。
最後の最後まで、一気に読ませるパワーには脱帽です。

で、やっぱり気になるのは聖職者同士の「禁断の愛の行方」なのですが、ラストを読んで、物語の落とし方としてはこれ以上にいいオチはないだろうと納得しました。

う~~ん、「教会」での「聖職者」モノって、ただ背徳感を前面に押し出すイメージがあったのですが、絶妙なキャラの配置で重たくなりすぎず、かつ根底に流れるテーマはしっかりしていて軽すぎず、…上手い!!

またしても、石原先生には、がっちりハートを鷲づかみされましたです。

「石原センセ~~!!どこまでもついて行きます~~~!!」←毎回叫ぶ

また、描き下ろしのあとがき「密日」がとてもいいです!
ツボは“呼び捨て”。
本編を読む時にも、このキーワードをお忘れなく!

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