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山口美由紀『春告小町』全4巻(白泉社/花とゆめCOMIX)

新田祐克さんの『オトダマ―音霊― 1』(感想はこちら)を読んだ時に、そういえば山口美由紀さんの漫画にも要と同じように「聞こえざる声」が聞こえてしまう耳を持った人がいたな~、と思い出しました。

それが『春告小町』(白泉社/花とゆめCOMIX 全4巻)の坂崎正之助です~!

春告小町1春告小町2春告小町3春告小町4

団子屋の看板娘・お春は大のお侍嫌い。
そんなお春の長屋に坂崎正之助という浪人が越してきた。
人の心の声が聞こえるという、不思議な力を持つ正之助。
その侍らしからぬ飾り気のない人柄に、お春は次第に心を開いていく…。
花のお江戸のあったか純粋ストーリー!
(1巻 裏表紙より)

■初出■
月刊メロディ 平成13年5月号~平成16年7月号掲載

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ファンタジー漫画界の華!
山口さんの描く、江戸時代物。

です!
町娘です!
エセ坊主です!!笑

ふんわりキラキラした画風の中に、元気で明るい女の子、ちょっと影のあるいい男、そしてマッチョなゴツめキャラが登場するのは変わりませんが、微妙に画風の変遷を思わせます。

山口さんご本人も仰ってますが、1巻と4巻の表紙のお春の顔が…違う~
でも、読んでるうちにはそんなに気にならない、いわばマイナーチェンジといった感じです。

内容としてはホラーがかっていながら、魅力的なキャラの数々と、ほんわかあったかいストーリー展開は健在。
そして、この作品、特筆すべきはラブストーリーなのです♪

江戸の町を舞台に繰り広げられる、山口ワールドをどうぞご堪能下さい!



この漫画、実はコミ友のYちゃんにお借りしたのですが、最初にページを開いた時に「何!?このお侍、かっこいい~~」と正之助に一目惚れ。笑

山口さんの描く男性は本当に魅力的!
(自分、基本的にやさ男に弱いらしい…。)
しかも、今回は着流し姿だしッ!!
ああ~、時代物に弱い私のハートを数ページでしっかりとつかんでくれました。笑


【あらすじ】

団子屋の看板娘・お春の長屋にある日、一人の浪人が越してくる。
「人の心の声が聞こえてしまう」耳を持つ、その浪人の名は坂崎正之助。
食えない態度の正之助に、心乱されつつも魅かれていくお春。
正之助の耳にだけ聞こえる「人の声」によって様々な“怪事件”に遭遇する日々を送るが、その「耳」を生かして長屋に巻き起こる事件を解決していく。
そんなある日、雲水姿のニセ坊主・「鼻の利く」岩龍をお春の弟が拾ったことから、正之助の秘された過去が徐々に明らかに。
果たして、左肩から大きく袈裟懸けに切られた刀傷が物語る正之助の壮絶な過去とは…。

* * *

この「人の心の声が聞こえてしまう耳」を持つ正之助が、期せずして耳にしてしまう「この世のものならぬ者」の声や、市井の人々の心に浮かんでは漏れ出る「敵意」、「羨望」、「策略」、「嫉妬」…。
こんな感覚が自分の身の上にあったとしたら、この世の中はなんと生きづらいものか。

でも、時にシリアス、時にホラーを交えながらも、どこかすとーーんと明るい作風が山口さんの持ち味なので、暗くなりすぎないのが救いです。
この辺のバランス感覚って、独特ですよね。


そして、この作品はお春と正之助の「ラブ」が大きなテーマ。
その特異な能力=耳を持つことで、凄惨な過去を背負う正之助は、素直にお春の気持ちを受入れることが出来ません。

でも、正之助のことを知れば知るほど、ますます思いを募らせていくお春・・・。

「いつまでも正之助の側にいたい」と願うお春は、本当の気もちを正之助に悟られまいとつれない素振りをとってみたりと、まさに恋する乙女全開!!
ここら辺の描き方は、お春の気持ちに沿って読むと、本当に胸がきゅん♪とするやり取りです。

ああ、恋って切ないわよね~。(遠い目…)

それにしても、強力なファンタジーテイストの多い山口さんの作品で、ここまで男女の恋愛の機微について踏み込んだものは珍しいかも…。
(とはいえ、やはりラブものとしてはかな~り薄味なのですが。)


ところで。

唐突に現れたかと思ったら、実はかなりの重要人物だった岩龍。
もちろんこの作品においてのマッスル部門担当(笑)としても大切なのですが、その生い立ちや正之助と育む友情、お春へ抱く思慕などを上手く絡ませて、とても深い印象を残します。

ヒロイン(=お春)をずっと影から見守る純情一途な男なんて、まさに古典的な少女漫画キャラじゃないですか!?
ああ、でも結局は影から見守るだけになってしまうのも、お約束なんですけどね。笑


さらに、要所要所で盛り上げる登場人物がまた魅力的。

人情味あふれる長屋の住人たちを始め、弟子の娘といい仲の常磐津のお師匠さん(※女性です。この人、いい味出してます~!)や、お春の幼馴染で甘味屋の看板息子、のちにお春の婿候補として名乗りをあげる色男の孝太なども加わって、笑いあり、涙ありのまま後半へぐぐ~んとお話をひっぱります。


後半は、正之助の過去との対峙として、やはり同様の「耳」を持った父親との因縁が丹念に描かれます。

後半は正直、こんな展開あり!?
と思ったりもしましたが、そこはほれ、少女漫画ですからね!!笑

なにはともあれ、最後の2人の姿には、心底ほっとさせられました。
江戸時代は武士と町人の婚姻はうんぬん・・・なんて野暮なことを言うのよしましょうね。滝汗

でも、岩龍のその後を描いた続編とかあってもよさそうなんですが、ないのかな!?
でもって、山口さんが繰り返し描きたかったと述べている「正之助と岩龍のふんどし2ショット」も是非見てみたいのですが…。

ということで。

山口さんもシチュにお悩みだったので、2人が違和感なくふんどしになるところを勝手に妄想してみました~~!


妄想1.長屋の正月の餅つきに駆り出された2人が大汗をかいて、着物を脱ぐ。
妄想2.長屋の近所に出来た銭湯に2人で湯を浴びに行き、着物を脱ぐ。(ふんどしどころが全裸!)
妄想3.急などしゃぶりで駆け込んだ2人のどちらかの住まいで、着物を脱ぐ。
妄想4.再び高熱を出して体の震えが治まらない岩龍を正之助が肌で温めようと、着物を脱ぐ。

…。

なんかやはりだんだん淫靡な方向に行ってしまうので、この辺でやめておこうと思います。
自重wwwww

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