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二ノ宮知子『天才ファミリー・カンパニー スペシャル版』幻冬舎コミックス

『天才ファミリー・カンパニー スペシャル版』全6巻(幻冬舎コミックス)を読みました。
Kちゃん、いつも買ったばかりの漫画を気前よく貸してくれてありがとう!

ただいま真っ盛りの二ノ宮知子さん!!
大ブレイク中の『のだめカンタービレ』(講談社)は2002年1月に第1巻が発売されてます。

さかのぼってこちら「天ファミ」は1994年12月~2001年春まで「きみとぼく」(ソニーマガジンズ…すでに廃刊)に連載されていました。
このスペシャル版はコミックス部門を受け継いだ幻冬舎から2003年に発売されています。

天才ファミリー・カンパニー―スペシャル版 (Vol.1)
二ノ宮 知子
幻冬舎コミックス
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あら、このメガネの彼、知的でなかなかいい雰囲気だわ~♪
と不純な気持ちいっぱいで表紙を開くと、二ノ宮さんのコメントが載っています。

「天才ファミリー・カンパニー」は若い人に向けて描いたお話です。95年ごろの日本を振り返りつつ、読んで頂けたらな、と思います。



ふむふむ。
1995年というと、新卒で入社した会社を3年勤めたので退社し、半年間ぷらぷら過ごし、年末に金欠に困って慌てて派遣登録した会社から外資のPC会社を紹介されて即効飛びついた…という年だったわ。
おっと、日本を振り返らずに自分を振り返ってしまいました。
というか、95年の日本に対する記憶なんて皆無ですって!!

そういえば、当時妹がさくらももこさんの『コジコジ(COJICOJI)』グッズを集めていましたよ!思い出した!これも「きみとぼく」に連載されていたんですよね。

コジコジの可愛さに気を取られて、当時漫画への興味が魔法(呪い!?)によって消されていた私の記憶にはまったく残っていなかった「天ファミ」…。
ぜひリアルタイムで読みたかった!!

さすが「のだめ」の作家さんは常に時代を先取りする「天才」なんだな~、と納得の面白さです♪


主人公の高校2年生、夏木勝幸(なつき・かつゆき)は素晴らしい頭脳を誇るまさに天才少年!
見た目はちょっと老け顔ですが、れっきとした17歳。

エリート証券マンだった父を6年前に亡くし、母と二人暮らし。
母は一部上場の「森崎製菓」の開発部部長ですが、実は勝幸がブレーンとして仕事を仕切っていた。
勝幸の将来の夢は、米国のハーバード・ビジネス・スクールでMBAを取り、スーパーエリートとして世界の経済界で活躍すること。
勝幸の才覚で家も新築し、母の出世も順調。
学校でも才女のうわさ高い永沢京子(ながさわ・きょうこ)との関係も気になるところ。
そんな中、夏木家に嵐の予感が…。

母が再婚相手に選んだ田中荘介(たなか・そうすけ)と、勝幸と同じ年のその息子の春(はる)は、かなりの「天然サバイバル」系。
この二人が、経済とはまったく無縁の生活を送ってきたことで価値観の違う人間との生活は勝幸の人生を大きく変えていく。

そこに、アメリカから春に会いにやって来た12歳の天才少女アミィや、田中親子の友人の謎の中国人・林ジイ(80歳)、謎の美少女ハッカー唯花(ゆいか)、中国マフィアまでからんで大騒動が勃発!!

社内の陰謀による母良子(りょうこ)の退職、留学の断念、永沢家の危機、自宅の焼失と次々に勝幸に降りかかる困難。
だが、そのすべてが裏でひとつに繋がっていたことに気づいた勝幸はその天才の頭脳をフルに使って、一発逆転をねらう!

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なんといっても、この作品の魅力は「奇人変人さん、いらっしゃ~~い♪」なところ。
「のだめ」の系譜ですが、この方の作品で変な人が出ない作品自体がありません。笑

いるはずないのに、どこかにいそう。」

そんな妙にリアルな「変人さん」が物語を面白くささえ、ダイナミックに動かしていきます。

そしてこの作品(変人)中人気ナンバーワンと思われるのが、やはり勝幸の義兄弟の春。
父と一緒に子供の頃から世界各地を放浪し、パンダに襲われ、崖から転がり落ちつつも生き延び、簡単な道具で鍵を壊し、縄抜けもお手のもので、医療の知識も深く、なにより誰からも愛される存在の春…。

早い時期に父を亡くし、天才であるがゆえにお金や社会的地位でしかモノの価値判断が出来なかった勝幸。
勝幸とは最も遠いところで生きてきた義父とこの義弟に出会い、さまざまな人との関係を通して人間として本当に大切なことに気づき、成長していきます。

あと、忘れていけないのが勝幸の同級生の有吉(ありよし)!
アクの強い登場人物が多い作品の中では、一服の清涼剤です。←ほんとか?
忘れたころに現れて、くすりとした笑いを残して去っていく…。
コマ漫画からも作者の愛がひしひしと伝わってきますよ。


ところで、この漫画の時代設定の95年はバブルが崩壊した1990年から「空白の10年」と言われたちょうど中間。
終身雇用神話が打ち砕かれ、「実力主義」「成果主義」が叫ばれ「就職氷河期」や「土地価格の下落」など、日本経済のお先は真っ暗でした。
だとすれば、勝幸のような才能ある人間が経済に頼って人生を切り開こうとするのは無理もなかった時代だと思います。

そして、世界の経済をリードしているのは、勝幸やアミィのような「神に選ばれた特別な人間=天才」なんだな~、とも実感できます。
最後に「天才一家(まさにファミリー)」が全員アメリカに移住してしまっているのが、日本では天才を受入れる器がないことを示唆していてちょっと残念ではありますが。

でも、まあ永沢さんとの『ラブの結晶』(ちゃっかりやることはやれてたんだね)にも恵まれ、どん底から自分の才能と周囲の協力で這い上がって夢を実現させた勝幸がまぶしく見えます!
おめでとう!!
と素直に拍手を送りたい。

結局アメリカでの成功により、やはり最後に勝つのは「お金と社会的地位」なのかと思わせますが、そうじゃありません。

最後のページの春の姿に「人間の本来の生き方」が集約されています。
この時の勝幸の表情を見ると、春が死に掛けた時に思わず流した勝幸の「涙」のシーンがフラッシュバックして感動!!
美しい兄弟愛です←変な意味はない


笑って笑って、最後にほろりとくる。
そんな漫画が読みたい人にオススメします。

ところで、「天ファミ」が原作のドラマがあったって知りませんでした。『あぶない放課後』といって、テレビ朝日系列で1999年4月12日~6月21日に月曜ドラマ・イン枠で放送されたそうです。
登場人物名、夏木家の家族構成以外のほとんどの設定が原作とは似ても似付かないほどに改変されてしまったため、原作の意味がほとんどなく二ノ宮先生の怒りを買い『のだめ』のドラマ化の際も「原作に忠実に」を基本にフジで作ることになったそうです。

漫画の実写ドラマ化は難しいですよね~。
特に読む個人で持つ、登場人物のイメージっていうのがありますから。
だもんで、今市子さんの『百鬼夜行抄』(朝日ソノラマ)のドラマまだ見る勇気がありません…。

でも、渡辺いっけいのお父さんには文句なし!爆
評判がよさそうなら、見てみようかな~。

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