[小説]三浦しをん

  1. 2007/12/11 三浦しをん『まほろ駅前多田便利軒』(文藝春秋)
  2. 2007/07/18 三浦しをん『風が強く吹いている』(新潮社)
  3. 2007/04/23 三浦しをん『秘密の花園』(新潮社文庫)
  4. 2007/03/13 三浦しをん『シュミじゃないんだ』(新書館)
  5. 2007/02/18 三浦しをん『むかしのはなし』(幻冬舎)
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三浦しをん『まほろ駅前多田便利軒』(文藝春秋)

1月からポプラ社の月刊プシコ増刊 「コミック ピアニッシモ」で、山田ユギさんでの漫画化が決定したこの作品。(関連記事はこちら
うれしはずかしな気持ちを抱えつつ、どんな仕上がりになるかと楽しみにしております♪

で、今回はこの本を知人に貸すことになりまして、押入れの奥から久しぶりに引っ張り出して来て手に取ってみたら、あらら~?ちょっとページを繰るだけのつもりが、読み出すと止まらなくなっちゃって、結局まるまる1冊読み返してしまいました。

いろいろ言われちゃってる作品だけど、やっぱり好きだな~。
この二人。

ということで、三浦しをんさん『まほろ駅前多田便利軒』(文藝春秋)今さらですが、感想です。

まほろ駅前多田便利軒
東京のはずれに位置する‘まほろ市’の駅前にある便利屋「多田便利軒」に舞いこむ依頼はどこかきな臭い。今日の依頼人は何をもちこんでくるのか。痛快無比。開巷有益。やがて切ない便利屋物語。多田と行天コンビの魅力満点の連作集!




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言わずと知れた三浦しをんさんの、2006年直木賞受賞作品。
この受賞記念記者会見で、「愛読書はBLです」と言い切ったしをんさんを見て、一生ついて行こうと心に決めたわけですが。笑

直木賞うんぬんに関しては、私的にはまったくどうでもいいことなのですが、「賞」と関する名前を戴くなら、それなりに認められた作品になるのでしょう。
でも、審査員=読者ではないですから、様々なご意見があるのはもっともなことです。

作品の舞台となる「まほろ市」は、しをんさんが生まれてから現在まで、ずっと住んでいらっしゃる町田市がモデルとは周知のことですよね。地元の人なら誰しもが、「ああ、あそこだ」と分かるランドマークがたくさん出てくるそうです。

私はあくまで「訪問者」としてしか町田に立ち寄ったことがないので、「東京郊外の町」に流れる空気感が、わかるような、わからないような…。
でも、何度か訪れたことがあり、全然知らない町というわけでないし、自分も東京郊外に住む者としては、物語に入り込むのは容易かったのです。

「漫画的」、「ドラマや映画にして欲しい」…。
そんな感想が多い「まほろ駅前多田便利軒」。

再度読み返して改めて、小説は頭の中でイメージしやすいものがやっぱり面白いんだ、と再確認しました。

三浦しをん『風が強く吹いている』(新潮社)

読みたいと思いつつ今まで機会がありませんでしたが…
とうとう三浦しをんさんの『風が強く吹いている』(新潮社)を読みました!

風が強く吹いている箱根の山は蜃気楼ではない。襷をつないで上っていける、俺たちなら。才能に恵まれ、走ることを愛しながら走ることから見放されかけていた清瀬灰二(きよせ・はいじ)と蔵原走(くらはら・かける)。奇跡のような出会いから、二人は無謀にも陸上とかけ離れていた者と箱根駅伝に挑む。たった十人で。それぞれの「頂点」をめざして…。長距離を走る(=生きる)ために必要な真の「強さ」を謳いあげた書下ろし1200枚!超ストレートな青春小説。最強の直木賞受賞第一作。


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「そんなの絶対無理だって!」

その計画たるやあまりに無謀、あまりに荒唐無稽!!
読み始めてすぐにハイジの「思惑」に勘づきましたが、まさか本当にやっちまうなんて…。
きっと誰もがこうツッこみ、呆れたことでしょう。

ハイジ、走、ニコチャン、ジョータとジョージ、キング、神童、ムサ、ユキ、王子。

「無理だよ、無理!やめときなって~」
そう思いつつも彼らがつなぐ夢の襷を追って、読んでいくうちにどんどん物語にのめり込んで行く自分がいました。

分かりやすい言葉で、彼ら10人ひとりひとりの人物像を鮮やかに描き出し、一緒に夢を見させてくれた、しをんさんの手腕に脱帽です。

三浦しをん『秘密の花園』(新潮社文庫)

三浦しをんさんの「秘密の花園」(新潮社文庫)を読みました!

秘密の花園
私は、なにをしているんだろう。どうしたら「私」でいられるんだろう?カトリック系女子高校に通う、三人の少女、那由多、淑子、翠。性格の異なる三人の「私」は、家族、学校、男たちの中にあって、それぞれが遠いはるかを、しずかに深く見つめている。「秘めごと」をかかえる彼女たちの微笑の裏側の自由。甘やかな痛みの底に眠る潔くも強靭な魂。自分を生き抜いていくために「私」が求めていたことは―。記念碑的青春小説。

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2002年にマガジンハウスからハードカバーで出た小説の文庫版です。

「秘密の花園」、といえば「禁断の」が枕詞ですが、舞台がカトリック系の女子高、しかも幼稚舎からのエスカレーター式のお嬢様学校(その名も聖フランチェスカ)となれば筋金入りです。

そこに通う那由多(なゆた)、淑子(としこ)、翠(すい)の少女期特有の感性を通して語られる透明で脆くも危うい日常が、三人それぞれの個性を表わすように異なる文体で描き出されます。

ただの感傷に流されない、少女の持つしたたかな強さ、が印象に残る作品でした。

三浦しをん『シュミじゃないんだ』(新書館)

三浦しをんさんの『シュミじゃないんだ』(新書館)を読みました。

小説ウィングスに連載していたBL解説(?)エッセイです!
イラストは、あとり硅子さん。

シュミじゃないんだ
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三浦 しをん
新書館 (2006/10)
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ボーイズラブ漫画にまみれた日常。で、ボーイズラブ漫画って…ナニ!?新・直木賞作家による、愛してやまぬボーイズラブ漫画についてのエッセイ。書き下ろしBL小説「夏の思い出」を収録。

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発行以来ずっと気になっていながら躊躇していたこの本…やっと読みました。

躊躇していた割りに読み出したら面白くて、やはり一気に読んじゃいました。

こちらは三浦しをんさんが2001年から4年半に渡り、小説ウィングスに連載したエッセイです。
BLを愛しつくしている方だからこそ、書けたものだと思います。


「これ読んだら、絶対にまた作家買いしちゃうよ…!!」
ってわかっていたから、読むのを我慢するつもりだったのに、やっぱり我慢仕切れませんでした。

でも、いいんです!

我が辞書に後悔の文字なし!

こうして新たなる大陸を求め、BLコミックスの大海原へと船を漕ぎ出すことになったとさ。
どんぶらこ。笑

三浦しをん『むかしのはなし』(幻冬舎)

三浦しをんさんの『むかしのはなし』(幻冬舎)を読みました。
2005年2月発行。原稿用紙340枚の書下ろし小説です。


日本人になら誰にもお馴染みの「むかし話」。
それを元に紡ぎだされる7つの物語。

むかしのはなし
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三浦 しをん
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『日本昔話』が、この本の中でどう語り変えられたのか、お楽しみいただけたら嬉しい。(巻末「あとがき」より)


 
それぞれの人物の日常を切り取った小説なのかと思わせておいて、「これってSF!?」と思わせる意外な設定。
予備知識なくこの作品を読み出して、途中きっと戸惑う読者も多かったと思います。
でも、読み進めるうちにその設定があるからこその人物たちが生きてきます。
そしてやはり自分が「その」立場に置かれたらどうするだろうと考えたり。

「むかし話」と、しをんさんの静かな語り口が印象に残る小説です。

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