[大人コミック]一条ゆかり

  1. 2010/08/26 一条ゆかり『プライド』全12巻(クイーンズコミックス)

一条ゆかり『プライド』全12巻(クイーンズコミックス)

プライド 1 (クイーンズコミックス―コーラス)
今は亡き有名なオペラ歌手を母に持ち、同じ道を目指す資産家の娘、麻見史緒。バイトをしながらオペラ歌手を夢見る緑川萌と出会い…!? ドラマチック・ラブ&バトル第1巻!!
(作品のあらすじはwiki参照>>こちら

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夕べから今日にかけて、一条ゆかりさんの『プライド』全12巻を読みました!

一条さんの作品ではじめて読んだのは『砂の城』で、『有閑倶楽部』は別冊りぼんを買うほど大好きでした。
なので、これは完結したらいつかは読んでみたいと思っていた作品だったのです~。

が、あらすじはまったく知らず、表紙をざっと見た感じでとりあえず「歌」がテーマで金髪(じゃないけど)と黒髪の女性同士がライバルらしい、という憶測だけもって読みはじめました。

結果…
「すんごく重くてハードな内容なんだけど、不思議な軽やかさもあわせ持つ」一条さんならではの作品…
でした。

これは、お嬢様育ちの麻美史緒と、ホステスの未婚の母親にうとまれながら育った緑川萌。
生まれも性格も真逆の2人が、ともに一流のオペラ歌手になる夢をもち、競い合いながら世界を目指していこうとするお話です。

陰険な嫌がらせあり、泥沼の恋愛劇ありと、中身はまんま“昼ドラ”か!
って感じなのですが、登場人物が絶対にこの世には存在しないような人たちなのに、不思議と妙にリアルな存在感がある。(あくまで2次元的だけど)

そして、もともと男女間のドロドロしたねちこい恋愛が大苦手の私ですが、この作品の先の読めない展開に続きが気になって気になって仕方なくなり、ついページをめくる手が止められなくなったほど。

最近は無理するとすぐ頭と目にくるのですが、最後は頭痛と眼精疲労と戦いながら、12冊読みきってしまいました。汗

昼ドラや韓流ドラマにハマる主婦の気持ちって、きっとこんなんなんだろうなぁ。

私は男女のドロドロよりも、男同士の恋愛に何倍も興味があるので、これは自分でも意外でした!爆

しかし、「先が読めない」ストーリー展開に引っ張られて一気に読んだものの、最後まで主役ふたりの女性にはあまり共感できなかったのが残念といえば残念…。

史緒も資産家のお嬢様育ちが父親の会社の倒産で無一文になり、そこから苦労しつつも持ち前の清廉さと生真面目さで持ってひたむきに夢を実現しようとする姿に感心はしましたが、いかんせん根っこがお嬢様すぎてパンピー(死語)の私には遠い存在。

さらに萌も、実の母親に疎まれて育ったため野心と成功願望の塊のような女性で、そしてなによりも「女」を武器にして這い上がろうとするタイプは…一番苦手なので…。
これでもかと萌を襲い続ける不運や不幸にも最後まで同情する気持ちになれず、ある意味「自業自得」とまで感じた自分は冷たいのか…?

正直、読後はそこが一番辛かったです。苦笑

でも、この2人の恋愛対象として登場する史緒の婚約者でのちに萌とも関係する音楽会社の副社長・神野隆と、史緒の初恋の男性かつ新進のピアノ作曲家でもある池之端蘭丸(改めて読むとすごい名前!笑)がかなりチャーミーで、彼らの八面六臂の活躍がなければ、きっと途中で挫折していたかもしれません…。

特に神野氏は『有閑倶楽部』で一番好きな清四郎の目つきをずっと悪くしたような「仕事の出来る男」で、史緒との結婚も計算ずくのようなところがありながら、腹違いの妹のことを常に気にかける優しさもある、非常にいいギャップ萌えな人でした。

蘭丸も史緒に失恋した後、世界一流のピアニスト・ペティの付き人としてNYに渡ったあたりからの、すごくチャーミングな振る舞いがよかったんだけど…

いかんせん、最終的に史緒に対して「アガペー(無償の愛)」の人になってしまって戦線離脱したので…
話をまとめるには必要な展開だったんでしょうけど、そこはちょっと残念でした。

しかし、11巻までハラハラどきどきの息をつかせぬ展開なので、本当に12巻で終わるのか!?
と思いつつ読んでいたのですが、さすが一条さん。笑

かなりの力技を発動して、強引にハッピーエンド(と言い切るには微妙に後味が悪いんですが)に持ち込みます!!

まさかこの作品のラストがあんな風にアットホームになるなんて、お釈迦様にもわかるまい!!笑

でも、もうあの終わり方しかなかったんだろうな~。

じゃないと、どこまでいってもドロドロのまんまで、きっと解決策なんて見つからない。

ご都合主義の感はぬぐえませんでしたが、あれがきれいにまとめる一番のやり方だったと思います。

そして。

一条さんがこの作品について語ったインタビューなどもまったく読んでいないので、テーマが「女性の成長」なのか、「女の友情」なのか、「身分違いの恋」なのか、「生まれついての格差」なのか、はたまた「家族」なのか今ひとつわからないのですが…

それらすべてを盛り込んだ、華々しいけど毒のある、とても欲張りな作品でした。

あと、ドドーンと暗くて重いシーンも多い作品なのですが、脇の人物がすごく魅力的で面白いので、読んでいてその部分にすごく助けられました。

特に神野パパ!
息子に似ず、能天気な可愛いおっさんでいいよねー♪

外に愛人囲っても、憎みきれない神野ママの気持ちがわからないでもない。笑

一条さんは嫌な人間にも必ず人間くさい部分を描写するので、そのあたりを拾えばドロドロが苦手な人でも面白くあっという間に読める作品だと思います。


しかしこれ、去年映画になってるんですってね!!
しかも、この12月には舞台とか…!!

肝心の「歌」ってどうなんだろう…??
やっぱり外せませんよね。

まあしかし、「オペラ」うんぬんなんて、ぜんぜん添え物程度にしか私の中では印象になくって、ひたすら4人の恋愛関係を追ってウハウハしてしまったんだけども…。

映画版では神野役がミッチーだったとは…
気になる!!

DVD探しちゃうかもしれません。笑

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